寸評 4季連続甲子園出場を果たした敦賀気比の二刀流は日本大では野手に。強打の野手になれるか
敦賀気比(福井)の二刀流としてチームを牽引し、21年春から4季連続で甲子園に出場した上加世田 頼希投手。投打ともに才能が高かったが、大学では内野手登録となり、野手として活躍を目指すことになる。
今回は上加世田の野手としての将来性について考えていきたい。
一番のウリである打撃では、スクエアスタンスで両膝を曲げて構えている。バットを寝かせて、やや体をかがめているのが特徴だ。窮屈そうな構えに見えるのだが、これでも伸び伸びと振れてしまう。
投手の足が着地したところから始動を仕掛けていき、すり足気味のステップでタイミングを取っていく。振り出しは滑らかで、インサイドアウトのスイングで球を捉える。いわゆる後ろを小さく、前が大きいスイングをしているため、遠くへ飛ばすことができる。
高めに浮いた球を逃さずに、長打にすることができており、速球にもしっかりと対応し、広角に弾き返すことができる。夏の甲子園の時点で高校通算18本塁打を放っているのも頷ける。
もともと21年夏まで野手メインで出場していて、強打を発揮。潜在能力は高い。
大学では野手登録となっているが、良い決断だといえる。投手としても140キロ前後の速球を投げ、フィールディング、クイックなど各種技術も高いものを持っているが、日本大の先輩投手、合格した同期の投手と比較すると、野手としてのほうがポジションをつかめるといえる。投手としても回転の良い直球を投げるので、野手として出場すれば、コントロールの良い強肩の野手になれる可能性がある。
日本大野手は3年生に良い野手が多いが、2年生以下は堅守タイプが多く、守備力、強肩を兼ね備えた中距離打者は少ないので、かなり期待できるのではないか。1日も早い神宮デビューを期待したい。
更新日時:2022.12.26