関 祐汰選手 (佐野日大)

関 祐汰

球歴:佐野日大

都道府県:栃木

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:178.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

佐野日大の大型左腕。高い位置から振り下ろすストレートには角度があり、そこから投げるカーブは見物。初戦の関東一高戦(8月8日)では8,9回に大量失点を喫したものの、7回まで2失点6奪三振と試合は作った。つめの甘さを突かれた形となって打ち込まれたが、素材は確かなものがある投手。こういう未完成な大型左腕ほど大学で化ける可能性が高いと思っている。北関東屈指の大型左腕を取り上げたい。 左オーバーから投げ込む直球は常時130キロ~135キロを計測。直球の威力は中々なものがあり、十分に140キロ台を狙えるような馬力はありそうだ。120キロ前後のスライダー、110キロ前後のカーブを投げ込む。一番の武器は縦に大きく割れるカーブ。高い位置から振り下ろすカーブはかなり打ち辛いものがあり、空振りを奪える球種だ。クイックはしない。右打者に対してはアウトコースにはストレート。膝元にはスライダー、カーブを中心に投げ込んでいく配球。左打者に対してはアウトコースに食い込むストレート、変化球を投げ分けていく配球。アウトコースいっぱいに決まる。素晴らしいのはすべての球種が膝元に決まるコントロール。高い角度から振り下ろしたストレートと変化球が低めに集まればミート力が高い打者が多い関東一といえども捉えきるのは難しいようだ。しかし立ち投げ気味のフォームなので投げるたびに下半身の粘りがなくなり、突っ込むことが多くなりやすい。元々、ストレート、カーブ、スライダーのコンビネーションなので、それほど広いといえない。そのため狙い球は絞りやすく、回を追うごとに甘くなり、少しずつ捉えられていった。 クイックはしない。その代わり首の動きによって牽制の動きを変えているように見える。しかし見破られると一気に走られやすく、関東一高戦でも俊足の渋沢にあっさりと走られてきた。上のレベルでも機動力でかき回される可能性もあり、クイックを磨く練習は必要ではないだろうか。 投球フォームについて。ワインドアップから入り大きく右足を上げていきながらも軸足の膝を曲げることでバランスよく上げることができている。このエネルギーの捻出の大きさは彼の売りだ。そこから二塁方向に足を送り込むことによって、お尻が落ちて捻転を生むことができている。また軸足を曲げて体重を乗せて、右ひざを浮かして着地することにより着地のタイミングを遅らしている。右腕のグラブをすぐに引き込んでいき、大きくテークバックを取ってリリースしていく。肘を使って上から振り下ろすことができているが、体が突っ込んでしまい、フィニッシュも三塁側に流れてしまっているのが残念。強い上半身の力を活かしたフォームなため、バランスを崩しやすい。だがこれほど粗いフォームをして、135キロを投げられるわけだから、完成したときはどれだけ球速が伸びるかワクワクさせられる投手である。
更新日時:2010.08.22

将来の可能性

投手としては実に理想的な体格をしており、オーバーから振り下ろす角度ある直球は魅力的。まだまだ荒削りな素材ではあるものの、その分、伸びしろはたっぷり。フォームのズレを少しずつ解消していけば、上のレベルでは速球派左腕として成長している可能性は十分にある。彼には大野雄大(佛教大学)のような投手を目指して欲しい。彼も高校時代(京都外大西)は130キロ台中盤ほど。そこから少しずつレベルアップして150キロをオーバーするようになった。関も負けないぐらいの素質は秘めている。これからどう伸びるかは自らの取り組み次第。ぜひ大学で花開いてほしいサウスポーだ!
更新日時:2010.08.22

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