岸 潤一郎選手 (明徳義塾)

岸 潤一郎

球歴:明徳義塾

都道府県:高知

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:175.0 cm

体重:70.0 kg

学年:卒業

短評

 ここで国体岸潤一郎について述べてきた内容を下記でまとめたいと思う。 成績 投手 3試合 27イニング 自責点2 防御率0.66    打者 19打数12安打 率.631、2本塁打、9打点 【敦賀気比戦より】  期待すべき場面で必ず打つ。 スター性がある選手はこのことをいうのだろう  4回表、1点ビハインドの場面で回ってきた岸 潤一郎(3年)。無死一塁フルカウントから振り抜いた打球は、レフトスタンドへ飛び込む豪快な本塁打となった。  岸はこの本塁打に、 「ちょうど高めだったので、バットが下から出ずに振り抜くことができました。とはいえ、出来過ぎです」と振り返る。 スカウトの間では野手として高く評価されているが、18Uと国体で打者・岸を見て、確かに野手として評価されるのも頷ける内容を見せている。  高校1年までは窮屈なスイング軌道だったが、ここにきてだいぶスイング軌道が改善され、水平な軌道でボールを強く押し込み打球を遠くへ飛ばすことが出来ている。打球の角度の高さ、打球の速さ、飛距離の長さ、どれをとっても素晴らしい。  18Uでは、木製バットの練習をしないまま、シングルヒットを何度も記録していたので、本格的に練習を取り組めば、今のような当たりが木製バットでも出来る期待はある。  また、投手としての完成度も高い。140キロ前後の速球、キレのあるカットボールを自在に投げ分ける投球は、高校生として優秀だ。ただドラフト候補に挙がる投手のボールと比べると角度があまりないのが懸念材料。大学ではよほど球速面と投球の幅を広げていかない限り、プロのスカウトが投手として評価することは厳しいだろう。  二刀流として期待されているが、打者として磨きをかけていった方が良いと考える。また岸は8回の第4打席でも、レフト線を破る二塁打を放ち、これで今大会は9打数6安打2本塁打6打点と大当たり。さらに準決勝、決勝戦でも当たりを見せることができるか。 【沖縄尚学戦より】   一死一、二塁から岸が打席に立った。実は岸、山城にこんな約束をしていた。  「あいつ(山城)とは、打たれるまでお互い直球勝負をしようと。狙い通りの直球が来ました」  ストレートを振り抜き、打球は左中間を破る三塁打となり、一気に2点を先制する。 3回裏に岸が左翼席へ飛び込む豪快な本塁打を放ち再びその差を3点とする。  岸はこの打席について聞くと 「さっき直球を打ち返したので、捕手は変化球のサインを出すと思いました。そして狙っていた変化球が真ん中に入ったので、迷わず振り抜きました」 会場である[stadium]長崎県営野球場[/stadium]は両翼99.1メートル、中堅122メートル。フェンスは3.9メートルと高校生では本塁打にするには難しい球場だが、大きな球場を物ともしない豪快な本塁打であった。  さらに岸は5回裏、一死一塁の場面で、第3打席を迎える。初球を捉え、左中間を破る二塁打を放ち、3打数3安打。三塁打、本塁打、二塁打。残りはシングルヒットでサイクルヒット達成である。 これには本人も「出来過ぎ」と振り返るぐらい、素晴らしい打撃だった。 7回裏、岸に打席が回ってきたが、読みがなかったフォークで空振り三振。これでサイクル安打はないと思われたが、8回裏、明徳義塾は4点を追い上げ、9対1と8点リード。二死三塁の場面で岸に再度打席が回った。 国体は点差によるコールドはないため巡ってきた打席だ。こういう打席が巡ってきただけでも幸運といえるだろう。岸は変化球に必死にくらいつき、中前安打を放ち、サイクル安打を達成した。今まで岸については投手として取り上げることが多かったが、野手としても素晴らしいパワーを秘めている。この打球を木製バットに切り替えても飛ばすことが出来れば、野手・岸でも面白いのではないか。  岸は打ってはサイクルヒット。投げては最速141キロのストレートに加え、カットボールを織り交ぜ、9回1失点完投勝利で、明徳義塾が2回戦進出を決めた。  岸は「何とか1回勝てればと思っていて、そしてサイクル。もう十分なんじゃないかと思います」と振り返った。 国体はどんな気持ちで臨んでいるかと聞くと、 「もう甲子園のようなガチガチの重圧はありませんから。楽しく野球が出来ていますね。それはみんな同じだと思います」リラックスした心境が今日のような大記録を作ったのかもしれない。
更新日時:2014.10.18

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