岡元 泰斗選手 (宮崎西)
寸評
チームの1番・中堅手として、選抜に出場。徹底的に三遊間を転がし、自慢の俊足を活かす打撃に徹します。 (第一印象) 非力な印象は受けましたが、自分のプレーにこだわりを持っており、転がすことと、できるだけ投手に多くの球を投げさせて粘ろうという意識が感じられます。 (守備・走塁面) 選抜の愛工大名電戦では、私が見る限り一度も打球は飛ばなかったように思えます。それだけによくわからない部分も多かったのですが、広い守備範囲を誇り、他の外野手のカバーにしっかり入れていました。少なくても、俊足を活かした守備範囲は、かなり広いのではないのでしょうか。 一塁までの塁間は、4.1秒台をコンスタントに刻むなど、中の上レベルの脚力があります。新チーム結成以来の85打席で12盗塁ですから、驚くような脚力ではありません。それでもこれを、プロの規定打席である446打席で換算すると、シーズン63個ペース。出塁すれば、積極的に盗塁を試みていることがわかります。 (打撃内容) スクエアスタンスで足を揃え、グリップの高さは平均的。特に特筆すべき点はありませんが、オーソドックスなスタイル。 <長所> 踏み込んだ足元が、インパクトの際にブレません。これにより、外の球に対し開かず捌くことができます。彼の三遊間への打撃は、この足元の安定が大きな役割を果たしているといえるでしょう。 早めにトップを作り、始動の遅さを補います。特にインサイドアウトにバットが出てくるタイプではなく、少しポイントを遅らせ左方向に転がすことを強く意識されたスイング。それでもバットの先端が下がらない意識があり、ボールを粘り強くフェアゾーンに転がします。 頭の動きが小さく、目線がブレません。体の開きも我慢でき、軸足にも粘りを感じます。軸を起点に、綺麗な回転で打ててます。 <課題> 始動が遅すぎて、投手がリリーフ直前に行われます。これだと一定レベル以上のキレ・球速のある球には差し込まれる可能性があります。更に始動~着地までの「間」がないので、打てる球は極限られます。狙い球があっていれば良いのですが、それが違うと瞬時に対応することは難しいのではないのでしょうか。 そういった打てる球の少なさが、打撃の脆さや弱さにつながっています。更に右投げ左打ちの巧打者に多い、独特の非力さがあります。当てるだげでなく、強く鋭く振りぬくことを、これからはテーマにして取り組んでみてはいかがでしょうか?
更新日時:2012.04.16
将来の可能性
残念ながら、選抜ではヒットを放つことなく甲子園を去りました。それは、やはり彼にまだ技術的にも、肉体的にも物足りないものがあるからだと思います。夏に向けて、この経験を糧に、大きく成長して戻ってきて欲しいですね。当てるのは上手いですし、実戦で生かせる足を持っている。何より、プレーに自分の意図がしっかり反映できるプレーヤーは貴重です。今後の活躍を楽しみにして、夏を待ちたいとおもいます。
更新日時:2012.04.16