森口 壽樹選手 (磐田東)

寸評

　巨体を活かした、日本人離れした長打力が魅力のスラッガー。ツボにはまると、ピンポン球のようにボールが飛んで行きます。特にインパクトの際の押し込みが、なかなか素晴らしいです。 （第一印象） 　静岡には、伝統的に巨体のスラッガーが多く出現する印象があります。彼もその系統を引き継ぐ男といった感じで、なかなか豪快な打撃をします。 （長所） 　足をしっかり引き上げて、力強く真っ直ぐ踏み込みます。踏み出した足下はインパクトの際にもブレませんし、早めにトップを作り上からバットを振り下ろします。強打者の割に、バットが遠回りしないでインパクトでき、更にボールを捉えてからもグッとボールを押し込んで、バットに力を伝えます。 　始動が遅く、ボールを手元まで引きつけて叩く長距離打者。それほどスイングのの大きさやフォロースルーの使い方は長距離打者の形ではありませんが、足の内もも強くボールを強く叩けるスラッガーの資質を持っています。将来的に、もう少しフォロースルーなどを上手く使えるようになると、天性のパワーに上手さが備わり多くの打球を遠くに運べるようになるでしょう。 （課題） 　足の上げ下げが大きいので、結構目線が動いて安定しません。また基本的に、ボールを引っ張って巻き込むタイプなので、打てる方向が限られます。将来的には、レフト方向への打撃も身につけたいですね。 　体格的にも、走力は期待できません。ただ一塁手としては、それほど動きが悪いような感じはしませでしたし、難しいフライも上手く捕っていました。ただ基本的に動ける選手ではないので、ポジションは限られそう。一塁以外では、左投手としてマウンドに上がることもあるようです。

将来の可能性

　全国的にも、こういった大砲候補は貴重です。彼は、高校レベルのスラッガーに留まることなく、上のレベルでも長距離砲に成り得る素材だとみます。それは長距離打者に必要な、始動の遅さ・内ももの強さなどの条件が揃っているからです。あとは、スイングの弧を大きく取り、フォロースルーの段階でグリップが自然と上がって来るようなスイングができると、ライナー性ではなく、ボールを高く遠くに運べるようになると思います。ぜひ２０１２年の、静岡のみならず東海地区を代表するスラッガーに育って欲しいと期待します。