松井 聖選手 (東邦)

寸評

　1年夏からレギュラーに座り、この夏は主力打者として活躍を見せた。この秋は愛知県の選抜の代表選手に選出。別格の実力を示しており、来年の愛知県を代表する好打者だ。 （打撃） 　外角に逃げる変化球を鮮やかにセンターに打ち返すバットコントロールが上手い左打者。決勝戦でも浜田 達郎（愛工大名電）から外角に逃げるスライダーを綺麗にセンターに打ち返した。低めに強く、春季大会では粘った末に、低めの変化球を捉えてホームランにするなどパンチ力も秘めている。 　スタンスはオープンスタンス。グリップを肩と同じ位置に置いてバットを立てて、重心を低くして構えている。投手の足が着地する寸前に始動を仕掛け、足を高々と上げていきながら、タイミングを取っていき、インステップ気味に踏み込んでいく。踏み込んだ足はしっかりと踏ん張ることが出来ており、インパクト時のブレも少ない。 　トップの動きを見ていくとヒッチさせるようにトップを作る。しっかりとバックスイングを取ることが出来ており、好打者タイプではあるが、強い打球を打ち返す準備を取ることができている。スイングの軌道を見ていくとトップまでロスのないスイングが出来ており、綺麗な軌道だ。ボールに合わせるセンスは素晴らしい。ただ外角を意識しすぎる構えなので、インコースに弱い。 　私が見たのは1試合だけだが、もっと数多く彼の打撃を見てみたいと思わせるもの打撃センスがあった。 （守備・走塁） 　この試合ではイージーな打球が多かったので、詳しい守備力を図ることができなかった。今では捕手をやっているようで、来年には実際の試合で守備力を確認してみたい。 　塁間タイムは4.28秒と左打者としては平均的なタイム。この試合では走塁技術を図ることができなかった。

将来の可能性

　打撃技術の高さ、ミートセンスの良さは愛知県でもトップレベルになり、中野 良紀（愛工大名電）に匹敵する選手だろう。今は外野手だけではなく、捕手を経験し、野球選手としての幅を広げている最中だ。個人的に一試合ですべてを掴み切ることができなかったので、来年は球場で、彼の走攻守すべてを注目していきたい。その時は今年寄りもスケールアップした選手になっていることを期待したい。