黒川 史陽選手 (智辯和歌山)
寸評
スタンスはオープンスタンス。グリップは肩の位置に置いて、軸足と前足の幅は肩幅ぐらいで、バットの持ち方はゼロポジションを意識した持ち方であり、無駄な力みがなく、しっかりとトップに入れるバランスが取れたフォームである。
投手の足が下りたところから始動を仕掛けていき、右足を回しこむように上げていきながら、タイミングを計っていく。
なるべく早めに始動を仕掛けていき、しっかりとトップの形成を取っている。真っすぐバックスイングをしていくとき、以前と比べるとグリップが頭の後ろに入りすぎることがなくなった。ヘッドが入りすぎた時、遠回りしたスイング軌道で振り遅れのスイングもあったが、今はシンプルにトップを取ることができているので、インパクトまでロスのないスイングをすることができている。また、踏み出した足の割れもしっかりとできており、体が突っ込まず、低めのボールにも対応ができている。
打てるポイントはかなり広く、内角でも、外角でも、柔軟に対応ができている。黒川は国体の取材で木製バットの対応について「力ではなく、来た球をうまく利用して打つ」と答えている。その言葉通り、ボールの軌道に合わせて、自在に打ち分けている。まだ芯を外した打球もあるが、全体的に高レベルな選手であり、もしU-18代表に選ばれても、クリーンナップは間違いなく打てる打撃技術の高さがあった。
(守備)
二塁守備は昨年に比べて守備範囲の広さが出てきて、広く打球をさばけるようになった。身のこなしもよくなり、だいぶセカンドらしくなってきた。遊撃手の練習もしていたが、セカンドか、サードあたりが適任の選手ではないだろうか。
更新日時:2019.12.03
将来の可能性
東北楽天で活躍を見せた左打者といえば、首位打者を獲得した鉄平、3年連続10本塁打の島内 宏明、4年間で44本塁打を積み重ねる茂木栄五郎、通算1100安打の好打者・銀次がいるが、そのレベルに到達する可能性は十分にあり、長打を打てる素材としてみれば、この4人より超えるものがある。 さらに智辯和歌山時代は強いリーダーシップでまとめていて、次世代のリーダー候補としても期待できる選手であり、東北楽天はナイスな指名をしたといえる。 今年は千葉ロッテから鈴木大地から移籍したこともあって、黒川が成長するにはよい球団といえる。 今の黒川ならば、高卒1年目からファームで80試合以上の出場機会は見込め、打率2割~2割5分前後、5本塁打以上は期待できるだろう。 将来的には10本~20本、打率3割台は毎年狙える中距離打者へ成長も期待できるだけに東北楽天は大事に育てていきたい。
更新日時:2019.12.03
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