加藤 右悟選手

加藤 右悟

球歴:

ポジション:投手

学年:卒業

寸評

2年生ながら4番に座る丸子達也。数々のプロ野球選手を輩出させた中井監督曰く「広島広陵史上最強の長距離砲」と呼ばれる。 選抜では17打数7安打1本塁打7打点の活躍。選抜の活躍によって一躍、その名を知らしめて、歴代のスラッガーを比較される存在にまで上り詰めた。 選手権では3打数1安打と不発に終わったが、来年を代表するスラッガーであることは変わりないだろう。 (打撃)  選抜では持ち前の豪打を遺憾なく発揮した丸子であったが、この試合(2010年08月12日)では3打数1安打と不発に終わり、歳内宏明に抑え込まれる形となった。この試合に限っては聖光学院の正捕手・星の読み勝ちだったといえる。第1打席はスプリットを見逃し、ストレートにはスイングをしていたので、ストレートに狙い球を絞っていた。星はそれを察知し、スプリットでカウントを稼いで、最後もスプリットで空振り三振に取った。二打席目は四球。第3打席目はスプリットに狙い球を絞っていたようで、外角低めに落ちたスプリットを拾ってセンター前ヒット。このヒットは見事なヒットであった。第4打席目はストレートに狙いを絞っていたようで、初球のスプリットを見逃し、2球目は外角高めのストレートをボールだと判断して見逃して2-0。その後はスプリットに狙いを定めたが、そのスプリットに空振り三振。丸子はバットを放り投げるぐらい悔しさを露にした。4番打者として結果を残せなかった苛立ちが感情をむき出しにしてしまったのだろう。それを否定するつもりはない。この試合では狙い球がこなかったが、中には甘く入ったストレートもあった。それをファールにしてしまい、まだ一発で仕留められる鋭さはない。 続いて技術面を掘り下げていきたい。 やや右足を開いたオープンスタンスで構える。グリップの位置はやや高めで、予め引いている。やや腰高なのが気になるが、軽いオープンスタンスにより、両目で投手を見据えることができている。投手が足を降ろしたところから始動を仕掛けていき、回しこむように上げていき、真っ直ぐ踏み出していく。ぐいっとトップをとっていくことにより、強い打球を生み出すことができている。またグリップが入りすぎることはないので、インサイドアウトで振り出すことができている。スイングスピードは凄まじく速く、捉えた打球は凄まじく速い。選抜・日大三戦では弾丸ライナーに飛び込むホームランを放ったが、失速することなく、スタンドインした打球には驚かされたものだ。この選手の素晴らしいのはリストワークの柔らかさ。外角に外れた変化球を上手く拾い、レフト~センター方向へ打ち返す巧さがあるのだ。アベレージヒッター傾向のあるスラッガーなのである。技術面については殆ど欠点がない。あとは甘い球を一発に仕留められる鋭さだけだ。 (走塁) 選手権では走塁面のアピールが少なかったので、選抜のプレーから振り返る。実はこの選手、走塁センスも長けている。秋季大会では10試合に出場し、6盗塁。実はチーム2位の成績なのだ。立命館宇治戦(2010年03月22日)でも左中間のヒットから一気に二塁へ陥れた走塁をみて、彼の走塁意識の高さを伺えた。単なる打てる一塁手ではなく、走れるスラッガーだということを我々に見せ付けた瞬間であった。 塁間タイムは4.30秒~4.50秒前後とそれほど足は速くない。しかしこれはベース手前で緩めることなく、全力で駆け抜けることができている。私が高く評価しているのは、スラッガーでありながら、自分の素質の高さに驕らず全力疾走ができていること。野球に対する姿勢・人間性はしっかりしている選手だということがこの全力疾走を見てうかがい知ることができる。 (守備) 守備は機敏に動ける選手で、ワンバウンドのグラブ捌きは秀逸。ポジションニングもしっかりしているし、二塁ランナーの動向をうかがうなど、さすが名門校だけあってしっかりと鍛えられているようだ。ファーストというのは二種類に分けられるのだが、打撃以外しか持ち味がないから、なんとかファーストを守っている選手と、守備ができるからファーストを守っている選手。丸子は後者に当たるだろう。
更新日時:2010.10.05

将来の可能性

2011年度屈指のスラッガーとして注目を集める打者になることは間違いないだろう。打撃だけではなく、走塁も巧いし、守備も鍛えられており、ただのスラッガーではない。スラッガーにありがちな御山の大将のような男ではなく、手を抜くことがない好青年。打撃に関してはもっと我を出してもいいと思うが、自ら道を踏み外すことなく伸びていきそうな素材である事は確かだ。来年は2011年度を代表するスラッガーに相応しいパフォーマンスを見せていただきたい。
更新日時:2010.10.05

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