内藤 渉太選手 (東京都市大塩尻)
寸評
昨年は、5番・右翼手として甲子園に出場。その時は、野手としてのレポートを作成致しました。今回は、左腕投手としてのレポートをお送りしたいと思います。この選手は、10月25日に行われるプロ野球ドラフト会議に向けて、プロ志望届けを提出した選手でもあります。 (第一印象) テイクバックを小さめにし、そこから角度のあるボールを投げ込んできます。ただボール自体は、キレで空振りを誘うというよりも、球威のあるボールをコーナーに集めて打たせて取るタイプだと思います。 (投球内容) 球速としては、常時135キロ前後ぐらい。変化球は、鋭く打者の近くで曲がるスライダーを中心に、時々カーブやスクリューボールなどを織り交ぜますが、それほど三振は奪えません。ただコントロールは両サイド中心に投げ分けられており、四死球で自滅するような荒っぽいタイプではありません。クィックも1.15秒前後、牽制も二塁に送球するなど、それなりに投球以外の部分もキッチリ出来ています。凄みはありませんが、適度にまとまった好投手といった感じです。 <長所> ボールの出所が見難いので、打者としてはタイミングが合わせ難い特徴があります。ただもう少し上半身や腕を鋭く振れるようになると、打者もボールに差し込まれて空振りも誘えるようになるのではないのでしょうか。 グラブは最後まで内に抱えられており、両サイドへの投げ分けは安定しています。これにもう少し足の甲の地面への押しつけが深くなれば、もっと球筋も低めに集中すると思うのですが。 <課題> 投げ終わったあとに、もう少し体重が前に乗って来ると、グッと打者の手元まで勢いのある球が行きそうです。そのためには、着地する足を前に踏み出し体重移動をスムーズに前に送り出すようにしたいですね。 身体の「開き」が遅いのが持ち味なのですが、テイクバックした時に肩が背中ラインよりも後ろに入り込んでしまっています。これだと肩を痛める可能性も高いので、充分にアフターケアには注意して欲しいですね。
更新日時:2012.10.17
将来の可能性
打者としての才能にも光るものがあるのですが、この一年でだいぶ投手としての魅力が出てきました。均整の取れた左腕であり、フォームにも打ちにくさがあります。これから上手く力をつけて行ければ、面白い存在にもなれるかもしれません。ただ高校からプロとなると、まだそこまでの総合力は感じません。卒業後は、独立リーグなどで実戦力を磨き、プロを目指すのが良いのではないのでしょうか。
更新日時:2012.10.17
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