手崎 椋介選手 (至学館)

寸評

　旧チームでは、6番・左翼手として出場し、夏の愛知大会では2本塁打を放ちました。しかし甲子園では、ヒットを放てず。それでもすでに、高校通算30本近いホームランを放ち、愛知を代表する強打者として注目されています。 （第一印象） 　今時珍しい、ブリブリいわせている強打者らしい強打者。後ろ足に体重をかけて、思っきり引っ張ったきます。ただ元来体には力がある選手ですが、打球はあまり上がらないタイプの打者だと思います。あくまでも、強烈打球で野手の間や頭の上を越えて行く、ライナー性の当たりが持ち味です。 （長所） 　小さくアウトステップした足は、インパクトの際に全くブレません。また足の上げ下げも小さいので、目線がブレず開きを我慢しつつ軸足も安定しています。軸を起点に、綺麗な回転で打てています。ただ打球は、引っ張る打球に偏っています。 （課題） 　始動が遅すぎるので、打てるボールが限られています。あくまでもストレート系にタイミングを合わせているのですが、打撃の準備である「トップ」を作るまでに時間がかかりすぎるので、そのストレートにも振り遅れる時があります。もう少し始動を早めて、動作に余裕を持ちたいところ。 　左翼としての動きや地肩は、それほど悪いように見えませんでした。しかしヒットを連発していても、試合の終盤には交代させられていたように、守備での信頼は薄いよう。走力もアウトだと思うと勢いを緩めてしまいますし、愛知予選の6試合で1盗塁と、走塁への意欲は低いように見えました。

将来の可能性

　打撃に関しては、独特の雰囲気があって興味深いものがあります。しかし粗さがあり、対応力が今後の課題。更に守備・走力でアピールできるタイプではないだけに、将来は出場の選択肢が狭まる可能性があります。 　何処まで自慢の打撃で、圧倒できるのか、そこにかかっている選手ではないのでしょうか。それでもこういったバリバリの強打者は少ないだけに、ぜひもう少し打球をあげられるように努力をして、長打を売りにできるようになると好いですね。そうすれば東海地区を代表する強打者として、更に注目されることになりそうです。