斎藤 湧貴選手 (聖光学院)
寸評
少し荒っぽいスイングをする選手ですが、ボールに食らいつく姿勢と強烈なスイングは印象的。それでも打球は、センター方向にはじき返す基本に中軸なスタイル。 (第一印象) 小柄ですが、非常にプレーに集中力や貪欲さが感じられ、気迫が伝わって来るファイター。特に低めのボールを、好んで振ってきます。 (守備・走塁面) 選抜の鳥羽戦では、あまり打球が飛んで行かずよくわかりませんでした。ただ落下点への入り方やキャッチングを見ていると、可も不可もなしといった印象を受けます。ただ新チーム結成以来の34試合で、失策は3個。この数字は、外野手としては少なくありません。こうやってみると、打球への判断などを誤るケースも、秋は多かったかもしれません。 一塁までの塁間も、計測できず。新チーム結成以来の135打席で16盗塁ですから、プロの規定打席である446打席に換算すると、年間53個ペース。この数字は、高校生としてもまずまずの成績であり、塁に出れば積極的に盗塁を仕掛けて来ることがわかります。 (打撃内容) 平均的なタイミングで始動してくる、中距離打者であることがわかります。ある程度の対応力と長打力をバランスよく兼ね備えた、ポイントゲッターと言えるでしょう。ただ選抜では、核弾頭として登場しました。きっとボールに喰らいつき、ナインを鼓舞するのにうってつけだと考えたのではないのでしょうか。 <長所> スクエアスタンスで、グリップを高めに添えます。腰の据わり具合・両目で前を見据える姿勢、全体のバランスなどにも優れ、理に適った構えです。適度にグリップ付近も動かし、打席では自分のリズムで立てています。 始動~着地までの「間」が取れているので、速球だけでなく変化球にも対応できます。踏み込んだ足元もインパクトの際にブレませんので、低めや外角の球にも開きを我慢してついて行けます。 <課題> バットを振り出すときに、肘が下がって少し遠回りに軌道します。ボールを捉えるまでのスイングに課題がありますが、ボールを捉えたあとは大きな弧を描き、フォロースルーまで力強く振りぬきます。 足を大きく上げ下げするので、やや目線のブレが大きいのではないのでしょうか。的確にボールを捉えるためには、足を上げてもいいですが静かに行う必要があります。
更新日時:2012.04.30
将来の可能性
守備・走力ではよくわからない部分もありましたが、力強いスイングは上のレベルの野球でも活躍が期待できます。あとは、粗さを解消しつつ高いレベルの野球に触れてゆけば、どんどん良くなってゆくのではないのでしょうか。今後の活躍が、益々楽しみなナイスガイでした。
更新日時:2012.04.30