平野 弘陽選手 (波佐見)

寸評

　2016年度における、長崎屈指の左打者。昨夏は背番号5をつけてライトを守っていましたが、今年は背番号8をつけて投手としてマウンドに。先発した試合で破れ、最後の夏はベスト8に留まりました。 （ここに注目！） 　ボールに合わせる技術、捌く能力に優れています。昨年よりもだいぶ力強さを増し、鋭い打球を連発できるようになってきました。 （守備・走塁面） 　一塁までの塁間は、左打席から4.3秒前後と平均的。タイムだけみると、それほど足を売りにするほどではないような。計測した時が遅かっただけで、実際はもう少し速いのかもしれませんが。 　残念ながら今年見た試合では投手をやっていたので、ほとんど外野に戻ってからは打球が飛びませんでした。昨夏の模様も見なおしたのですが、背番号5をつけてライトを守っており、まだ打球への判断に迷いというか、不安があったのかもしれません。最終学年に、どの程度守備を高めてきたかは、正直よくわかりませんでした。 （打撃内容） ＜構え＞　☆☆☆ 　前の足を軽く引いて、グリップは高めに上げ捕手側に引いて添えます。腰の据わり具合、全体のバランス、両目で前を見据える姿勢は並ぐらいか。 ＜仕掛け＞　平均的 　投手の重心が沈み込んだ、底のあたりから動き出します。ある程度の確実性と長打力をバランスよく兼ね備えた始動であり、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く観られます。 ＜下半身＞　☆☆☆☆ 　足を軽く上げ、少しベース側に踏み込んできます。始動～着地までの時間はそこそこで、速球でも変化球でもそれなりに対応。ベース側に踏み込むように、外角の球に意識が強いようです。 　踏み込んだ足のつま先は閉じられ、インパクトの際にもブレません。これにより外角の厳しい球や低めの球にも、開きを我慢して食らいつけます。 ＜上半身＞　☆☆☆ 　早めにグリップを引いているのですが、しっかりトップの形を作るのは遅れがち。しかしバットの振り出しはインサイド・アウトであり、内角の球にも脇を閉めて綺麗にふりぬけます。踏み込んできますが、けして内角は嫌いではないのではないかと考えられます。 ＜軸＞　☆☆☆☆ 　足の上げ下げは小さく、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢でき、軸足にも粘りが感じられます。

将来に向けて

　昨夏に比べると、スイングにも強さと鋭さが増してきました。しかしまだプロを意識するのには、力強さが物足りません。 　ボールを合わせるセンス・技術はあるので、この部分を全面に出して活躍して欲しいところ。好打者タイプだけに、守備・走塁のレベルも高いものが求められるので、その辺も磨いて欲しいと思います。大学だけでなく、社会人など上のレベルも目指して精進して欲しいと願っています。