古賀 悠斗選手 (福岡大大濠)
寸評
今年の高校生を代表する強肩捕手。高校2年夏まで遊撃手。そこから人生初の捕手となり、九州地区を代表する強肩捕手へ成長したのだから、素晴らしい成長度である。そんな古賀の攻守に迫っていきたい。 (打撃) 高校通算50本塁打を誇る古賀悠斗(福岡大大濠)。その打撃はコンパクトでありながら、強く振れていて、しっかりと打球に角度もつけることができる打者で、打撃の完成度は高い。特に外角球の捌きは非常に上手い選手だ。 スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置において背筋を伸ばして構えている。余計な動作を入れないシンプルな構えで、力みもなく、投手もしっかりと見据えたバランスの良い構えだ。コンタクト能力の高さはそこに尽きるだろう。投手の足が着地したところから始動を仕掛けるスタイル。トップの動きを見ていくと、 そのため始動の仕掛けは若干遅く、すり足気味にタイミングを測りながら、間合いを測る。トップの動きを見ると、捕手側方向まで引いていく。去年と比べると、グリップが体の奥に入りすぎていたが、選抜や練習試合の模様を見るとだいぶ改善されるようになった。振り出しやすい位置にトップを持っていくことができるようになったことで、強引な打ち方が減り、だいぶ的確にボールを捉えることができるようになった。 金属バットでは運ぶような感覚でボールを捉え、角度良く打球を飛ばすことができていたが、木製バットではコンパクトなスイング軌道でしっかりとミートすることを心掛けている。それでも右、左へとしっかりとヒットゾーンへ運ぶことができている。 (守備) 昨秋から話題になっていたスローイングは健在。常に1.8秒~1.9秒台をたたき出す強肩は全国トップクラス。 課題だったキャッチングもだいぶ改善され、しっかりと手元で押し込めるキャッチングとなった。三浦銀二の好投は、古賀のキャッチング技術の高さもあっただろう。またリードもだいぶ良くなり、特にピンチの場面でもリードが実に冴えていた。三浦の能力、試合状況、打者の狙い球を考えながらリードできるようになり、だいぶ上達を見せた。 また代表入りしてから三塁手として練習試合にも出場したが、動きは悪くない選手。三塁手としての動きも磨かれると楽しみだろう。
更新日時:2017.08.30
将来の可能性
攻守の総合力は、高校生トップクラス。正捕手は中村奨成になる可能性が高いが、古賀がバックアップで控えているのは大きな強みだ。三塁手としても起用できるので、打撃面でアピールできれば、スタメン出場が増えそう。やはりほかの選手同様、古賀も国際大会が自身の野球選手としての可能性を広げる場である。高卒プロへ行ける能力は十分に備わっているが、どんな進路を選択したとしても、ここで結果を残せば明るい未来が待っている。
更新日時:2017.08.30
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