相内 誠選手 (千葉国際)
寸評
今年の千葉県でプロ入りを狙えるのはこの投手だなと思ったのが千葉国際の相内 誠だ。長身から振り下ろす角度ある直球、鋭く落ちるスライダー、カーブを投げ分けながら投球を組み立て、打者に応じて攻め方を変えるピッチングセンスは光るものがあり、体力面の不安を解消し、さらにステップアップ出来れば、堂々と指名候補に入れられる投手と思っていた。ただ春に痛めた腰の影響もあってか、調子を上げる調整ではなく、復調させる調整となった。それもあってか、この夏は僅か2イニングで終わってしまった。 (投球内容) 故障明けということで気になっていたが、ストレートは140キロを計時しており、ストレートの勢いは戻ってきている。恐らくマックスの出来ではなかった。長いイニングを投げて何処まで行けるか見たかった。 変化球はスライダー、カーブ、縦のスライダー、カットボール。新たにカットボールを投げていて精度は良かった。本来ならば縦のスライダー、カーブと縦の変化球を織り交ぜるが、短いイニングだけではそれも織り交ぜる必要もなかった。最後の夏は2イニングに終わってしまったのが本当に勿体無かった。 (投球フォーム) 投球フォームは春から大きな変化はない。ステップ幅が狭く、上体を強く腕を振って投げるフォームなので、腰にかかる負担が気になった。春から夏にかけて股関節を重点的に鍛えてきたようで、自分の弱い部分を徹底的に鍛えてきたようだ。肘の筋力も弱いという情報を聞いたが、それを考えるとプロで戦える土台を築くには時間がかかりそうで、もしプロ入りということならば、1年間は土台固めに入ることになるのだろう。
更新日時:2012.09.23
将来の可能性
彼は荒削りながらも一目惹かれた投手。柔らかい腕の振りから投じる回転の良い140キロ台のストレートは惚れ惚れするものがあり、そして縦に織り交ぜる変化球のキレも素晴らしく、簡単には点を取られない投球術を持った投手として評価していた。牽制も抜群にうまく、野球センスの良さも光っていた。 課題となるのは体力的なモノで、長丁場で、ハードなプロで耐えうる体力面が不安だった。体力面については多くのスカウトが話されていたことだ。 私としては大学でワンクッション置いてからプロ入りを目指すのも決して遅くないと思っているが、プロに進むにしろ、大学に進むにしろ、自分の力量・位置づけを把握し、ストイックに取り組むことが出来るか。大学野球はストイックに取り組むことを忘れた選手は自然と淘汰される世界だからだ。そういう覚悟があるか、今後の投球、プレー一つ一つから注目していきたい。
更新日時:2012.09.23
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