浦嶌 颯太選手 (菰野)

浦嶌 颯太

球歴:菰野

都道府県:三重

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:184.0 cm

体重:86.0 kg

学年:卒業

寸評

 同校からプロ入りしていった先輩たちをも成し得なかった、一年時から140キロ台を連発している球速の持ち主。秋季大会では150キロを記録し、一躍その名が全国に響き渡りました。その将来が極めて楽しみな、豪腕の誕生です。 (投球内容)  私が観たのは、この夏の近大高専戦。リリーフで登場し、コンスタントに130キロ台後半~140キロ台前半ぐらいは出しているような、力強い速球が目を惹きました。投球のすべてがストレートで、あと少し球速を殺してシュート回転するボールがあり、意図的にツーシームあたりを使っていたのかもしれません。しかしこの試合では、目に見えて変化球を投げ込むと言う場面は見られないまま、マウンドを降りました。  まだ力のある球を、ストライクゾーンに投げ込むだけというシンプルなもの。そのためコースの投げ分けも出来なければ、打者との微妙な駆け引きを展開するまでには到りません。それでも力で抑えられてしまうのが、この投手の凄さなのかもしれません。牽制も投げるフリだけで、実際には投げないで威嚇するだけとか、クィックができないなど、まだまだ学ばなければいけないことは沢山あります。そういったことを、これから少しずつ身につけて行ってもらいたいと思います。 (投球フォーム)  ワインドアップでしっかり振りかぶり、足をゆっくりジワ~と引き上げてきます。足を引き上げて軸足一本で立ったときにも、膝から上に力みがなく立てており、余計な力が入っていないのは好いフォームだと思います。 <広がる可能性>  引き上げた足を、高い位置でピンと伸ばすので、お尻が一塁側に落ちています。現在は変化球をほとんど投げませんが、将来的に腕の振りの緩まないカーブで緩急をつけたり、縦に鋭く落ちるフォークのような球も、無理なく投げられる下地があります。「着地」までのタイミングも、けして早すぎることはありません。これから、いろいろな球を覚えて、投球の幅を広げて行くことが期待されます。 <ボールの支配>  グラブを内に抱えられていないので、外に逃げようとする遠心力を押さえ込めずにフォームが暴れます。これにより、ボールは狙いが定まりません。ただ足の甲の押しつけは悪くないので、ボールが余計に上吊る心配が少なく、あとの動作にもネネルギーが伝えられています。「球持ち」自体は悪くないのですが、それほど指先の感覚が良くなさそうなので、将来的にもきめ細やか投球は難しいかもしれません。あくまでも、ボールの威力で勝負するタイプに育つのではないのでしょうか。 <故障のリスク>   無理のないお尻の落としに加え、現状はほとんどストレートしか投げません。更に腕の角度も無理せずに投げられていますし、大きな故障はし難いフォームだと考えられます。将来的には、タフな力投派として、活躍して行けるのではないのでしょうか。 <実戦的な術>  「着地」までの粘りは悪くないように見えますが、体の「開き」は少し早く見えます。そのため、その球速よりは苦にならないのかなと思えます。腕は非常に強く振れているので、変化球との見分けは難しいでしょうね。ただ「体重移動」がまだ上手くなく、投げ終わった後も一塁側に重心が流れます。ステップの位置や着地のタイミングなども意識しながら、下半身の強化と股関節の柔軟性を磨けば、好い体重移動が実現できるようになるのではないのでしょうか。今はまだ球威が目立ちますが、更に手元までの勢いが落ちない、本物ののストレートが投げられるようになると思います。
更新日時:2011.10.04

将来の可能性

 あくまでも現時点では、速い球を投げるだけといった感じでした。しかし、その土台となるフォームは素晴らしく、今後投球の幅を広げて行ける可能性と故障のし難いフォーム、何より体の強さは大いに魅力です。肉体的な面は申し分ないので、あとは志しを高く持って日々取り組めるのか、全国で勝ち上がれる総合力を身につけられるのか注目したいと思います。世代を引っ張る存在として、その自覚を持って取り組まれることを期待してやみません。
更新日時:2011.10.04

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