矢澤 駿選手 (柳井学園)

矢澤 駿

球歴:柳井学園

都道府県:山口

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:180.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 この夏の甲子園・開星戦で先発し、MAX141キロのストレートを投げ込み一躍来年のドラフト候補として注目されました。非常に落ち着いたマウンド捌きが印象的で、身体に巻き付くような腕の振りをする、粘っこい投球が身上。 (投球内容)  引き上げた足をピンと伸ばす時間が短く、すぐに身体を丸め込んで来る独特のフォーム。そのフォームから繰り出されるストレートは、常時135キロ前後~MAX141キロに到達。山口大会決勝戦の時には、MAXで136キロ強ぐらいだったので、大幅にスピードアップして魅せた。変化球は、カーブ・スライダー・シュート・チェンジアップと、それほど空振りを誘う球種はないものの、実に多彩なピッチングをしてくる。  マウンド捌きも堂々としておりテンポよく、両サイドにもしっかり投げ分けられる制球力。ボールの出し入れも巧みで、しっかり試合を作って来る。牽制・フィールディングも鋭く、クィックも1.1秒~1.2秒台と素早く投げ込むなど、非常に野球センスに優れた投手。あとは、身体に強さが出てくるようだと、来年は全国的にも注目の投手と位置づけられるだろう。 (投球フォーム)  少し身体を丸めて投げる、腕が身体に巻き付いて来るような粘っこいフォームが特徴的。 <広がる可能性>  引き上げた足を結構高い位置で伸ばせるため、お尻の甘さは残るものの、一塁側への落としもある程度できている。これにより身体を捻り出すスペースを確保できているので、腕の振りが緩まないカーブやフォークのような落差のある変化も期待できそう。ただ「着地」までの粘りがイマイチで、身体を捻り出す時間が充分確保できていない。このことが可能になれば、もっと変化球のキレも増すだろうし、縦の変化の修得も期待できそうだ。 <ボールの支配>  グラブを内にしっかり抱えられ、両サイドの制球も安定。足の甲の押しつけも深く、ボールもあまり上吊らない。「球持ち」もそれなりで、指先の感覚がよさそう。将来的も、かなり高い精度の制球力が期待できるのではないのだろうか。 <故障のリスク>  お尻の落としに甘さは残るものの、身体を捻り出すスペースも確保。これによりカーブなどを投げても、体への負担は少ないはず。腕の角度にも無理がなく、体への負担は少ないフォームだといえよう。ただ体に強さがあるタイプではないので、体のできていない今の段階ではあまり無理をしてほしくはないところ。 <実戦的な術>  「着地」までの粘りがもう一つのため、体の「開き」も早くなり、ボールの出所はわかりやすい特徴があります。そのため打者からは、それほど苦になるフォームではありません。ただ腕はしっかり振れて体に絡んで来る粘っこさは特筆もの。「体重移動」も割りとできているので、下半身の鍛錬と股関節の柔軟さが並行して行えれば、将来的にはもっと体重がグッと乗って来るような勢いのある球も期待できそうです。
更新日時:2011.10.12

将来の可能性

 投手としてのセンス・制球力などは素晴らしいものがあります。あとは、苦になりにくいフォームの改善と体幹の弱さを、いかに改善できるのかにかかっています。来年の夏までに、体の強さとボールに凄みが出てくるようならば、高校からプロへの可能性は大きく広がるでしょう。山口では久々に全国で話題になりそうな、可能性を持った選手の登場です。大いに期待して、一冬越えた成長を待ちたいと思います。
更新日時:2011.10.12

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