岡﨑 大輔選手 (花咲徳栄)
寸評
注目された選抜の舞台では、送りバントや四球などもあり、まともに打てたのは僅か2打席。それもノーヒットのまま、甲子園をあとにした。プロも注目するほどの内野手だったが、この悔しさをいかに最後の夏にぶつけてくるのかみてみたい。 (ここに注目!) 柔らかいリストワークを活かしたバットコントロールのの良さと、ハンドリングの柔らかさを活かした遊撃守備に注目して頂きたい。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、左打席から4.0秒前後と俊足。新チーム結成以来の43試合で、18盗塁はチームNO.1。ただ盗塁を仕掛けて来るだけでなく、状況に応じて相手の隙を突く走塁が上手い。 打球への反応、フットワーク、グラブさばきと、ボールを捕球するまでの動きには流れがある。気になるのは、テイクバックが小さめの送球のために、ダイナミックなプレーができない点だろうか。恐らく送球を乱すことが多く、慎重になっているように思える。 (打撃内容) 今年の選抜ではノーヒットに終わりましたが、昨夏の甲子園では13打数6安打とヒットを量産しています。 <構え> ☆☆☆ 前の足を引いて、グリップを高めに添えます。腰はそれほど沈まず、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢などは並ぐらいでしょうか。 <始動> 平均的 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、平均的なタイミング。ある程度の確実さと長打力をバランスよく兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く観られる始動です。 <下半身> ☆☆☆ 足を軽く浮かし、ベース側に踏み込んできます。気になるのは、始動のタイミングはけして遅くないのに地面を捉えるのが早く、充分に間を作れていないこと。そのためいち早く下半身が固定されてしまい、上半身でのみボールに対応するような手打ちになってしまうことが多いのが気になります。 ベース側に踏み込むように、外角を意識しているのがわかります。踏み込んだ足元はブレないので、外角の厳しい球や低めの球を拾うことができます。 <上半身> ☆☆☆ 打撃の準備である、トップの形を作るのは自然体。そのため力みなくボールを捉えにゆくことができ、柔らかいハンドリングを活かせます。 バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではありません。しかし外の球を捉えるのにはロスは少なく、バットの先端であるヘッドも下がらないので広い面でボールを捉えることができます。 <軸> ☆☆☆☆ 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。身体の開きは我慢でき、軸足にも粘りが強く感じられます。そのため低めの球にも、ついてゆくことができるわけです。
更新日時:2016.06.18
将来に向けて
ベース側に踏み込むことで、外角に特化したスイング。その反面、内角の捌きが窮屈になりがち。彼のような左のアベレージヒッターは、あまりインステップして踏み込まず真っ直ぐにして、ある程度内角も捌ける幅を持ちたい。 もう1つは、高校からプロにゆくにはスイングの強さ・鋭さに物足りなさが残ります。その辺の肉体の強化を図りつつ間が取れるようになると、ボールを捉える能力は高いだけに楽しみ。走攻守すべての部分を更に高めて、大学などで力を付けられると将来楽しみだと思います。期待して今後も見守ってゆきたい、三拍子そろった好選手でした。
更新日時:2016.06.18
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