ケガからの復帰を目指す選手へ
全体練習に復帰する前に、ケガをしたときの動作で不安がないかを必ず確認しよう。
ケガをして全体練習を休んでいる選手にとって、公式戦が近づいてくると少しでも早く復帰して練習に参加したい、試合に出たいという気持ちが強くなると思います。気持ちはあせりがちですが、ケガの状態をしっかり確認してから競技復帰をしないと、また同じ部位を傷めてしまったり、ケガをした部位をかばって違う部位を傷めてしまったりすることがあるかもしれません。全体練習に参加する前はできれば一度受診した医療機関で、医師に患部の状態を確認してもらったうえで復帰することが望ましいでしょう。
また今まで続けて行ってきたリハビリテーションについては引き続き行うようにすると再発防止にもつながります。競技復帰前には必ず運動機能についてチェックを行ってからプレーするようにしましょう。
1)関節可動域(関節の動く範囲)が正常は範囲になっている
2)筋力レベルがケガをする前の状態に戻っている
3)ケガをしたときの動作を行っても不安なくできる
関節可動域と筋力に関しては左右差を見ながらチェックするとわかりやすいでしょう。ケガをした部位は一定期間安静にしていた影響で、関節の動く範囲が狭くなりがちです。また筋力についても安静期間の間に筋力が落ちているため、以前と同じようなプレーをするとよりケガをしやすくなっています。ある一定期間をかけて筋力トレーニングを行い、左右差があまり変わらなくなるまで続けるようにすることと、患部外 (ケガをしたところ以外)のトレーニングについても忘れずに行いましょう。
痛みの管理も大切です。リハビリテーションを行っていると痛みを覚えることがあると思いますが、リハビリ後には患部を氷などで冷やし、炎症を抑えるようにします。また競技復帰前には実際にグランドで動作を行い、ケガをした時と同じ動作をしても不安なく行えるかどうかを確認し、問題なければ競技復帰するというステップを踏むと安心です。
文:西村 典子
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