フェアプレイの精神
昨日(22日)は日本のスポーツ指導において、大きな一日と言えるのではないでしょうか。
日本大学アメリカンフットボール部の選手の記者会見、皆さんはご覧になられたでしょうか。見られてない方も、ニュースや動画サイト、SNSなどでアーカイブで見ることができます。競技は違いますが、野球の指導者、選手(球児)にもぜひ見ていただきたいです。
「行為は許されることではないが、勇気を出して真実を語ってくれたことには敬意を表したい。立派な態度だった」という関西学院大学の鳥内秀晃監督のコメントの通り、立派な会見だったと思います。
今、フェアプレイの精神が大きく揺らぎかねない事態になっていると思いませんか?
フェアプレイだけでは勝敗はひっくり返りません。時にはそう感じられないプレイが起こることがあり得るでしょう。でも、フェアプレイの精神がなければ、今回のアメリカンフットボールなど、≪相手選手やチームと対時するスポーツ≫は到底できません。もちろん『野球も同じ』です。一歩間違えば、自分だけでなく相手にもケガをさせてしまうかもしれない。常に気を抜いちゃいけないんだということを、あらためて頭に入れていただきたいと思います。
野球に関する話で言えば、例えば挟殺プレイ。これはフェアプレイの精神があるから、守備側の選手はグラブでタッグ(タッチ)にいきます。攻撃側はタッグされないために、逃げます。走者側はスリーフィートオーバーでアウト意味を考えてほしいと思います。
もう一つ、フェアプレイの精神がなければ、例えば、挟殺プレイであえて走者の体にボールをぶつけてケガをさせるなんてことがあり得てしまいます。
日本大学の選手の会見では、「相手のクオーターバックがケガをして、秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう~」とコーチから言われていたことを明かしました。
これを野球で考えても怖い話です。「相手がケガをして、夏の大会に出られなかったらこっちの得だろう」と考える指導者や選手が1人もいないことを願いたいです。実際にボールを持つのは守備側ですので、挟殺プレイなどで走者にぶつけてケガをさせにいくなんてことが、机上(頭の中の)の考えではできてしまうわけです。特に走者が投手だったならば、ケガをした方はその後の試合でも大きなダメージを受けてしまいます。場合よっては選手生命も脅かされてしまいます。
でも、そこにはスポーツマンが最も大事にしなければいけないことの一つであるフェアプレイの精神はないですよね。フェアプレイの精神があるからこそ、ボールを持った守備側は正々堂々と相手走者にタッグをしてのアウトを狙うはずです。
かなり話が脱線してしまったかもしれませんが、選手、指導者の皆さんは、あらためてフェアプレイの精神というものを考え直してみてください。そして高校野球ならば、日本高等学校野球連盟の『F』のマークにこめられた3つ意味をあらためて認識し直してほしいと思います。
F・・・ファイト
F・・・フレンドシップ
F・・・フェアプレイ
もちろん、野球に限らず、スポーツ界全体にこの3つの意味は通じます!
(文:松倉雄太)