牛乳が苦手な選手
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人は、乳製品やカルシウムを多く含む食品などを代用しよう。
牛乳にはタンパク質やカルシウムなど、身体づくりに欠かせない栄養素が多く含まれています。成長期には特に「牛乳をたくさん飲みなさい」と言われた選手も多いのではないでしょうか。一方で牛乳が苦手という選手や、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして身体にあわないという選手もいます。これはアレルギーの一種である乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)と呼ばれる体質を持っている可能性があります。
牛乳の代わりになるものを探してみると、まず考えられるのが牛乳以外の乳製品です。乳糖不耐症が疑われる選手であれば、牛乳はダメでもヨーグルトなら大丈夫というケースが多く、乳糖の含有量との関係が考えられます。ヨーグルトやチーズなどは製造段階で乳糖が分解され、牛乳に比べて少なくなっています。
カルシウムを多くとりたい場合は小魚や野菜などからも摂取できますが、より吸収率を高めるためにはマグネシウム(ナッツ類、ゴマ、大豆製品など)やビタミンD(きのこ類、卵、魚介類など)を多く含むものと一緒にとると良いでしょう。それでも乳製品そのものがダメという場合は、乳製品に含まれるタンパク質やカルシウムなどを別の食品からとるようにします。
また「豆乳は牛乳の代わりになりますか」という質問を受けますが、豆乳と牛乳では含まれている栄養素が違ってきますので、豆乳のみで牛乳の代わりにはなりません。豆乳に含まれるタンパク質は牛乳とさほど変わりませんが、カルシウムが牛乳に比べて少ないことが指摘されています。
一方で豆乳は牛乳に比べて鉄分を多く含むことが知られているので、鉄欠乏性貧血などに悩んでいる選手にとっては積極的にとりたい食品の一つであるといえるでしょう。牛乳が苦手…という選手は、乳製品での代用や、カルシウムを多く含む食品などを積極的にとるように心がけてみてくださいね。
文:西村 典子
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