主審やツースリーも間違い?これって野球用語じゃないの?
野球の取材をしていて、選手や指導者からいまだに聞かれるのが、【主審】や【ツースリー】などの用語の間違いです。
主審と球審の違いについては以前にも書きましたが、あらためて選手と指導者の認識を徹底してもらいたいと思います。野球には責任審判はいても、主審はいません。
もう一つはカウント。昨年末、中学生の大会を見に行った時のこと。フルカウントになった際にスタンドの応援する控え部員が「パーッパーパパ、パーッパーパパ、パーッパーパパ、ツースリー!」と投手にプレッシャーを与える曲を口ずさんでいました。これが3ボール0ストライクなら「ノースリー」となるわけです。高校野球のアカペラ応援でもありますので、おそらくはそれをマネしたものだと思われます。
純粋に打者を応援する歌詞ではなく、投手にプレッシャーをかけると受け取られる歌詞にするのも問題ですが、それ以上に「ボールが先のカウントが浸透していないんだな」と悲しくなりました。
以前、ある高校球児からもこんなことを聞いたことがあります。「少年野球からやってきて、指導者からは一度もボールを先に言うことは教えられませんでした」。また、「今考えると、小さい時にちゃんとボールが先という感覚を身につけないといけない」という声も聞かれました。
こういった声を総合すると、選手が野球を始めた時に指導者がきちんと「カウントはボールを先に言うんだよ」と教えてあげないといけないと思います。指導者からは「どうしても昔の感覚で言ってしまう」という反省の声も聞かれます。
日本で一番早くボールを先にコールしたのは高校野球です。国際慣習にならい1997年の選抜高校野球大会で導入されました。
プロ野球や大学野球、社会人野球では2010年シーズンからですが、もう8年を経過。どこかでストライクを先に言ってしまう流れを変えないといけません!
選手や指導者の皆さん、ボールカウントを言う際はボールを先に。フルカウントの場合はせめて「スリーツー」と言いましょう。それと同時に、「パーッパーパパ、パーッパーパパ、パーッパーパパ、ツースリー!」というような投手に対してのプレッシャーになる応援はぜひ控えていただいきたいと思います。
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(文:松倉雄太)