膝の外側の痛み・腸脛靱帯炎

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2017.11.03

膝の外側にある腸脛靱帯はランニング量が増えたり、ランニング強度が高まると痛めることがある

膝の外側の痛み・腸脛靱帯炎

 体力づくりの時期になると全身持久力や筋持久力を強化する目的でランニングをする機会が増え、下肢の筋力が不足していたり、コンクリートなど堅いところを長時間走ることによってランニング特有のケガを誘発することがあります。

 すねの前側が痛くなることをシンスプリントと呼んでいますが、ランニング量が増えるにつれて膝の外側に位置する腸脛(ちょうけい)靱帯を痛めることがあります。これを腸脛靱帯炎といい、特に長距離ランナーなどによく見られることからランナーズ・ニーとも呼ばれています。野球においても急にランニング量が増える時期や、入部したての新入部員が部活のランニング量に耐えられるだけの体力を備えていない場合などにもよく見られます。

 腸脛靭帯は腸骨(ちょうこつ:腰の骨)と脛骨(けいこつ:足の骨)を結ぶ長い靭帯で、膝の外側を安定させる役割があります。この靭帯は膝を曲げ伸ばしする際に大腿骨(太ももの骨)の外側を振り子のように前後に移動するのですが、ランニングを続けていると膝の曲げ伸ばしのたびに靭帯と大腿骨の間で摩擦が生じ、炎症を起こすことがあります。特に大腿骨が普通よりもより外に大きく出ているときや、O脚がひどい場合、かかとの骨が大きく内側に入り込んでいる場合など骨格上の構造に問題がある場合(骨アライメントの不良)、外側に荷重がかかりやすいランニングフォームで走っている場合(拇指球に体重がかからず、薬指・小指側に力が抜けている場合)、疲労などによる下肢筋力の低下や筋力不足、さらにはシューズや路面の硬さなどによっても出現することがあります。

 使いすぎによるオーバーユースが原因で筋肉が硬くなり、摩擦を生じて痛むことが多いため、まずは痛みのある部位より上位にある太もも外側の筋肉の緊張をほぐすようにしていきましょう。

 ストレッチなどによって痛みが強くなる場合は無理に行わず、まず患部を冷やして炎症を抑えることを優先させるようにします。また腸脛靱帯炎だけではなく、お尻の筋肉や太ももの筋肉、ふくらはぎの筋肉など下半身の柔軟性が低下しているとやはり膝の外側が痛くなることがありますので、練習後のクールダウンなどを念入りに行い、なるべく疲労をためない努力をしましょう。こうした対応をとりながらも、膝の痛みがだんだんと強くなるようであれば早めに医療機関を受診するようにしましょう。

文:西村 典子
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