判断力を鈍らせないための食生活
アスリートは勝負事への執着心が強いので、リレー形式のランニングは盛り上がるかも
判断力を鈍らせないための食生活
アスリートにとってコンディションを整えるということは、身体だけではなく精神的にもよりベストな状態に保つということを指します。身体の状態がよくても気持ちにムラがあったり、時に思いがけないアクシデントに対してイライラしたりしてしまうとプレーにも影響を及ぼします。
特に「イライラするのはカルシウムが足りないから」といったことを聞いたことがある人も少なくないでしょう。ミネラル分の一つであるカルシウムは骨や歯などの材料になるだけではなく、脳神経に働きかけて興奮を鎮める作用があると言われています。カルシウムの少ない食生活を送っていると、最初のうちは血液中のカルシウム濃度を補おうと骨に蓄えてあるカルシウムを血液中に放出して、何とか血中のカルシウム濃度を保とうとしますが、やがて身体にとって必要最低限のカルシウムが確保出来なくなってきます。
また骨にあるカルシウムが少なくなってしまうと日々身体を動かすアスリートとしてはパフォーマンスに影響が出るだけではなく、ケガのリスクが高まることも予想されます。このようにカルシウムが不足するとやはり長期的には身体のコンディションを下げることになりますので、普段からカルシウムを多く含む食べ物や、カルシウムの吸収を促す役割のあるビタミンDを含む食べ物(魚類、きのこ類、卵黄など)を積極的に食べることが大切です。
またスナック菓子を日頃から習慣的に食べている場合は、食生活を見直すようにしましょう。スナック菓子には糖分や油脂が多く含まれるだけではなく、カルシウムの吸収を阻害するリン酸を含みます。牛乳やヨーグルトなどを積極的にとっていても、一緒にスナック菓子を食べてしまうとカルシウムの吸収が悪くなるということ。スナック菓子は「たまのご褒美」程度にとどめておくようにしましょう。
そして何より大切なのは朝食をしっかり食べるということです。一日の始まりは朝食によって決まるともいえるほど、朝食をとることは大切ですし、アスリートとしてはその内容もしっかり整えたいところ。朝食を抜いてしまうとエネルギー源である糖質が不足し、身体はもとより脳のエネルギー不足で頭が働かずボーッとしたりイライラしやすくなり、集中力も不足してしまいます。心身のコンディションを整えるためにも、アスリートに適した食生活を送っているかどうか振り返ってチェックしてみるようにしましょう。
文:西村 典子
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