熱帯夜でもぐっすり眠る睡眠法
寝具を清潔に保つことも睡眠の質を高めることにつながる
熱帯夜でもぐっすり眠る睡眠法
睡眠不足はコンディションを崩す大きな要因の一つですが、暑い時期はぐっすり眠れないという選手も少なくないのではないかと思います。睡眠時の室内環境を整えるためには、クーラーや扇風機などを活用して室温を26〜27℃前後(外気温との温度差を5℃以内)に設定し、湿度50〜60%を目安として、ある程度時間が経ったら自然と電源が切れるようにタイマー機能を活用しましょう。さらに扇風機は室内の空気を循環させるように天井付近に風をあてるようにすると、身体に直接風がかからないので肌寒さを感じることも少なく、涼しく過ごせると思います。
普段使っている寝具についても清潔に保つよう心がけましょう。人間は寝ている間にコップ1杯分程度の汗をかくといわれ、寝具をそのままにしておくとだんだんと布団にも湿気がたまって重くなってしまいます。このような状態では布団や枕などにダニやカビなどが付着し、増えやすくなってしまうため、天気のよい日は布団やマットレスをこまめに干すようにするとよいでしょう。また暑さで眠りにくいと感じるときは氷枕や保冷剤などを使ってみるのも一つの方法です。特に睡眠時には頭に熱がこもりやすく、不快感から眠りが浅くなりやすいといわれています。保冷剤や保冷シートなどを使っておでこや頭部を冷やしてから(10分〜15分程度)寝るようにすると自然と入眠しやすくなり、睡眠の質を上げることが期待できます。
身体のリズムとして、眠気は身体が温まっているところから冷えていく過程において高まるといわれています。寝つきが悪いと感じるときは入浴時間を就寝時間の前に設定すると眠気が高まりやすくなります。暑くて湯船につかるのが億劫だと感じるときは、サッパリとした爽快感を得られる夏用の入浴剤などを利用したり、薬局などで売られているハッカ油を利用したりすることもよいでしょう。ハッカ油は湯船に2、3滴垂らし、よくかきまぜてから入るようにすると、メンソールの効果でヒンヤリとした感覚を得られます(ただし多く入れすぎないように)。さらにお風呂から出るときにはぬるめ、もしくは少し冷たい水でシャワーを浴びると、身体をしっかりと温めつつ湯冷め防止にもなります。寝苦しい夜には部屋の環境や寝具、入浴方法などを工夫して、睡眠の質を上げられるようにしましょう。
文:西村 典子
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