患部を冷やすときと温めるときのタイミングを教えます!
ケガに対して適切な対応を知り、患部を冷やす際には氷を用いるようにしよう
冷やすときと温めるとき
ケガをした時に痛みのある部位を冷やすのか、温めるのか、悩んだことがある人も多いと思います。これはケガの程度や炎症状態によって使い分けをする必要があります。基本的には受傷直後から2〜3日間は患部を冷やし、腫れや痛みなどが落ち着いた段階で患部を温めるようにします。
【冷やすとき】
ケガをした直後から炎症症状(腫れ、痛み、発赤、出血、熱感など)の強い2〜3日は、患部を十分に冷やすことで血流を抑制し、炎症を抑えるようにします。急性外傷と呼ばれる突発的なケガ(デッドボールによる打撲やベースを踏み損ねて捻挫をした、相手選手と交錯してスパイク等で出血したといった原因の特定できるもの)には初期の対応として氷などで患部を冷やすことが大切です。太ももや腰など比較的大きな部位は深部までしっかり冷やすのに時間がかかるため、15〜20分程度を目安に行います。
また投げ終わって痛みがある場合も同様に肩や肘などを冷やすようにしましょう。肩や肘を冷やす際にはバンテージなどを用いることが多いと思いますが、指先が冷たくなりすぎたり、しびれてしまったりすることのないよう、圧迫のしすぎに気をつけるようにします。また冷湿布をアイシング代わりに用いる人がいますが、これは消炎鎮痛を主な目的としているので患部を冷却するという点ではあまり適していません。同様に市販の冷却ジェルは患部を皮膚表面を冷やしすぎて凍傷を起こしてしまう場合があるので、患部を冷却する場合は氷か氷水を使用するようにしましょう。
【温めるとき】
受傷後、時間の経過とともに炎症症状はおさまってきますが、繰り返し行う動作が物理的ストレスとなって筋肉の柔軟性が低下したり、疲労が蓄積されたりして痛みが慢性化することがあります。以前からずっと肘が痛い、バッティングをすると手首が痛いなど、普段の生活の中で感じる痛みよりも、スポーツ動作を行うことでその痛みが増します。
プレー後にジンジンとした痛みがある場合は患部を冷やすようにしますが、練習前などには患部を温めて周囲の筋肉や腱などの動きを高めるようにすると良いでしょう。温めることで血行がよくなり、代謝を促して傷んだ細胞の治癒促進がはかられます。また柔軟性が低下したことによって起こる痛みに対しては、患部を温めて筋温を高め、柔軟性をよくするようにすることを心がけましょう。
文:西村 典子
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