運動中のアクシデントに注意!心臓震盪を理解しよう

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2017.05.16

初期対応が迅速であればあるほど命を救う確率が高くなる

心臓震盪を理解しよう

 運動中におきるアクシデントのうち、生死に関わるとされているのが、Heart=心臓、Head=頭部、Heat=熱の3要素です。これは頭文字をとって「3H」と呼ばれています。Heartでは心臓疾患の突然死が一番多く、頭部では外傷による脳内出血や頭蓋骨の骨折、熱は熱中症のことを指します。

 野球ではプレー中にボールが身体にあたってしまうことがありますが、成長期の選手は特に胸部付近への強い衝撃が加わると、心臓が突然停止してしまうことがあります。これを心臓震盪(しんとう)といいます。特に守っている時にライナー性の打球が直接あたったり、イレギュラーバウンドが胸にあたったりしたときに起こる可能性があります。大人にはあまりみられませんが、成長段階にある選手や子どもは肋骨などの骨格が十分に発達していないため、受けた衝撃が心臓に伝わりやすいことが発生要因の一つではないかと考えられています。

 また心臓震盪は、ボールなどがあたる場所(心臓の真上)、あたる強さ(強すぎても弱すぎても起こらない)、あたるタイミング(心電図上である決まった位置)の3つの条件がそろうと発生するといわれています(衝撃の3条件)。この3条件がそろい心臓震盪を起こしてしまうと、心臓が一時的にけいれんを起こし、ポンプ機能がうまく働かなくなってしまいます(心室細動)。この状態が続くと脳に酸素が行き届かなくなり、酸欠によって脳細胞が死滅し、生命に危険が及びます。脳死状態に陥るまでの時間はおよそ3分といわれており、倒れた状態からすぐに救命措置をとることが大切です。

 選手が胸部付近に衝撃を受け、その場に倒れ込んでしまったらまず状況を確認し、反応と正常な呼吸が無ければ119番通報とAEDの手配を頼んで、直ちに心肺蘇生法(CPR)を開始します。胸骨圧迫を行い、並行してAEDを準備してすぐに除細動を行います。胸骨圧迫のテンポは1分間に100回以上とされ、これと同様のリズムとして有名なものに「アンパンマンマーチ」が挙げられます。救急車がくるまでの一時的な措置ですが、救急車の現場到着時間の平均は8.6分(平成28年)であり、初期対応が3分以内というタイムリミットを考えると「すぐに救命措置を行う」ことが求められます。

 こうしたケースはあまり多くありませんが、野球でのプレー中の事故なども報告されていますので、心臓震盪に対する正しい知識と適切な対応をぜひ理解しておきましょう。

文:西村 典子
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