膝下の前側が痛い時には注意!「オスグッド病」ってどんな症状?
膝下の痛み「オスグッド病」とは?
膝下の前側を痛めてしまったとき、病院で医師から「オスグッド病ですね」と指摘された選手がいるかもしれません。オスグッド病とは主に成長期にみられるケガの一つです。
身長が伸びる時期の身体は、骨の成長スピードと筋肉の成長スピードに違いがあり、骨が先に伸びてしまうことで骨についている筋肉は急激に引っ張られて柔軟性が低下し、さらには骨と筋肉(靱帯部分)との付着部に牽引ストレスがかかって炎症を起こし痛みが発症します。成長段階の身体には通常の骨よりも柔らかい成長軟骨が存在するのですが、オスグッド病は膝下部分にある成長軟骨が、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋など)に引っ張られて炎症を起こすことで発症します。
(↑大腿四頭筋や腸腰筋など太ももの前側を重点的にストレッチしよう)
練習後に痛みでジンジンするような場合はまずRICE処置を行い、患部を冷やして安静に保つようにします。また太ももの前側の筋肉が硬くなっていることで膝下に負担をかけていることが考えられますので、大腿四頭筋のストレッチを十分に行うようにしましょう。この際、ストレッチをして膝下の痛みがひどくなるような場合は無理にストレッチをせず、自分で軽く太ももをほぐす程度にとどめておきます。また股関節の前側にある腸腰筋のストレッチなども膝下の牽引ストレスを軽減させることにつながりますので、積極的に行いましょう。
高校生の皆さんはまだまだ身長の伸びる時期ですので、普段から膝下に痛みがないかどうか実際に自分の手で押して確認しておくことも大切です。クールダウンに行うストレッチの時や、帰宅後のお風呂上がりなどに日課としてチェックを行うようにしておくと、膝下のささいな痛みを発見しやすくなります。動きの中で痛みがなくても、患部を押して痛みがある場合は、練習量が増えるにつれて痛みが悪化することが考えられますので、練習後のRICE処置や太ももの前側を中心とした下半身のストレッチなど、早め早めに対応することができます。
痛みがあるのにムリをしてプレーを続けていると、逆足でかばった動きをしてしまったり、他の部位に大きな負担がかかって新たにケガをしてしまったりすることがあります。成長段階にある身体の変化について正しい知識をもち、痛みが出る場合は患部を安静に保つことを優先させましょう。
文:西村 典子
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