自ら痛みのスケールを把握をするために日ごろから記録をつけよう
痛みのスケールを把握する
練習内容によって痛みの程度も変わることが多いので、痛みの自己評価をしておくと参考になる
ケガをした時に一番わかりやすい指標として「痛み」があると思います。痛みは腫れや出血などに伴う炎症症状の一つですが、人それぞれ感じ方が違ってくることも特徴の一つです。いわゆる「痛みに強い人」「痛みに弱い人」という言い方をすることもありますが、小さな骨折であればさほど痛みを訴えない人もいますし、かすり傷程度でも痛みを我慢できない人もいます(極端な例ですが…)。
野球の練習中に痛みがある場合、プレーができる状態であれば病院に行かずに様子をみるということもあると思います。突発的に起こる急性期の痛みは発症後およそ2~3日がピークといわれ、その後少しずつ軽快することが多いため、しばらく様子をみることで痛みの程度を把握することができます。ただし痛みはその人に代わって感じることが出来ないため、判断が難しいこともあります。痛みがどんどん悪化する場合、痛みのほかにも腫れや変形など通常の状態とは明らかに異なっている場合にはすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
軽度の痛みであれば自分で痛みの評価をしておくことも可能です。特にケガをして医療機関を受診し、プレー復帰までリハビリを行っている選手には、普段つけている野球ノートなどに痛みの数値を記入しておくと復帰の目安にもなります。自己評価としては一番痛い時を10、痛みのない時を0として10段階評価をするというもの。評価する人が本人ですので、痛みのスケール(ものさし)としては一貫性があります。毎日練習後に痛みの自己評価を行い、たとえば8であればまだまだ痛みが残っている状態で、プレーをするには支障があると判断できますし、5であれば一番痛いときから比較すると痛みが半分程度になったと評価できます。
以前との比較をすることで痛みの傾向や回復具合を確認することができるので、練習内容とあわせて記録しておくととても参考になります。ケガからのプレー復帰を目指す選手はぜひこうした痛みの自己評価も習慣にしてみてくださいね。
文:西村 典子
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