トレーニングをすると筋肉が硬くなる?
トレーニングをすると筋肉が硬くなる?
筋肉のパンプアップは一時的なもの。柔軟性を良くするためにはトレーニング後のストレッチが大切
技術練習とともに強化していきたいのが身体の基礎体力です。特に投球動作やバッティング動作は繰り返し行われることが多く、知らず知らずのうちに一部分にのみ大きな負担がかかったり、痛めたりしてしまうことが多いため、ケガを未然に防ぐためにも基礎体力は高めておく必要があります。またケガ予防のためだけではなく、技術を支える体力要素を強化することで力強さが増したり、より高いレベルの技術を習得することが可能です。
チームによってはウエイトを使ったトレーニングを行うところも多いと思いますが、一方で「ウエイトトレーニングをすると筋肉が硬くなるのでは?」といった疑問も耳にします。トレーニングを行ったことのある選手であれば経験したことがあると思いますが、重りを持って筋肉を鍛えると、トレーニング中からトレーニング後にかけて、筋肉がパンパンに膨らむ「パンプアップ」という状態になります。
これは運動をすると一時的に血液やリンパ液などの体液が増えることによって起こる現象ですが、実際には筋肉が膨らむのではないため、しばらくすると元の状態に戻ります。ただしトレーニングした後の筋肉が元の大きさに戻ったからといって、そのまま放置してしまうと柔軟性は低下しやすくなります。トレーニング後に使った部位をストレッチすることを習慣づけると、トレーニングによって筋肉が硬くなることを防ぐことが出来ます。
また「ウエイトトレーニングをするとスピードが落ちてしまうのでは?」ということについては、ウエイトトレーニングで強化された筋力とともにスピードを意識したトレーニングを行うようにするとスピード能力の向上が期待できます。
ただし筋肉は脂肪よりも比重が重いため(水を1としたときの人間の体脂肪の比重は約0.9、筋肉は約1.1)、筋肉量が増えると体重も重くなることが考えられます。この場合は、重くなった体を支え、コントロールできるための体力要素(たとえばバランス能力や敏捷性など)も筋力同様に鍛える必要があります。
文:西村 典子
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