朝練をよりよいものにするために
朝練をよりよいものにするために
朝練は「短時間で反復」できるものを中心に組み立てよう
学校が始まるとどうしても練習時間が短くなってしまうのは致し方ないところではないでしょうか。練習量を補うために朝の時間を有効に活用するチームも多いと思います。朝練を行う時に意識しておきたいことや、体調を整えるためのコンディショニングについて確認してみましょう。
●体づくりのための睡眠は削らない
朝練を行う時、どうしても気になるのが睡眠不足です。普段よりも起床時間が早くなることは当然ですが、就寝時間がいつもと変わらない状況であれば、睡眠不足におちいりやすいと考えられます。睡眠は練習(トレーニング)、栄養と並んで体づくりのためには欠かせないものであり、寝ている間に出る成長ホルモンはトレーニング後の筋力アップに大きく影響します。まずは普段の睡眠時間を知り、そこから今の自分にとってどのくらい睡眠をとるとコンディションがよいのかを把握する必要があります。
●朝食のタイミングを考える
起床してから何も食べない状態で朝練に参加することは、なるべく避けましょう。起床時の身体は長時間にわたって食事をとっていない状態であり、体内に貯蓄されているエネルギー源は十分とはいえません。たくさん食べすぎると身体が重くて思うように動かないという場合は、おにぎりやパン、バナナなど糖質を多く含む軽食をとり(エネルギー源の確保)、朝練後にしっかりと朝食をとるようにすればよいでしょう。食事面での環境を整えることは、朝練を継続させるために欠かせないものです。
●朝練に向いている練習
基本的に朝練は終わる時間がある程度決まっているため(授業が始まる前まで)、短い時間でより成果の上がるものにしていく必要があります。ウォームアップを兼ねてのジョギングやランニングでは、筋持久力や全身持久力などの体力要素を鍛えることが可能です。また複雑な動きを伴うものよりは、単純な動作の繰り返しをメインに練習内容を組み立てるとよいでしょう。守備練習を行うことやティーバッティングなどは練習量を積みかさねることで技術の質向上が期待できます。ただし朝からヘトヘトになるほどの過度な練習量は、その後の活動にも支障を与えかねませんので、さまざまな練習を時間単位でローテーションさせ、バランスよく身体を動かすことが大切です。
文:西村 典子
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