神宮を沸かせた滋賀県出身のサウスポートリオ
左から中澤 嶺(龍谷大)、前田悠伍(大阪桐蔭)、増居 翔太(慶應義塾大)
2年ぶりの開催となった明治神宮大会。高校も大学も非常に盛り上がりを見せた大会となった。今回は滋賀県出身の投手が目立ったので、紹介をしていきたい。
大阪桐蔭の前田 悠伍投手は滋賀県北東部の長浜市出身で、高月野球スポーツ少年団に在籍し、バファローズジュニアを経験。中学生になると、湖北ボーイズに入団し、カル・リプケン12歳以下世界少年野球大会の日本代表に選出され、世界一を経験した。中学3年はコロナ禍の影響で、全国規模の大会が中止になったが、滋賀県内の大会で圧倒的な成績を残し、高校関係者では世代NO.1左腕と騒がれた。大阪桐蔭に入学し、1年秋から主力投手として活躍。重要な場面で先発し、その都度、勝利に導いてきた。その投球の完成度は世代トップで、最速145キロの速球、多彩な変化球を操り、ゲームメイクできる投球はとても高校生には見えなかった。
初戦の敦賀気比戦では6回、10奪三振無失点の快投。準決勝・九州国際大付戦では2失点、決勝・広島広陵戦は1失点したが、粘り強く投げて優勝に導いた。
慶應義塾大の増居 翔太(彦根東出身)は彦根市立稲枝中の軟式野球部に所属し、彦根東では2年夏、3年春に甲子園出場。2年夏は埼玉西武ドラ1・隅田 知一郎擁する波佐見に勝利。センバツでは慶應義塾相手に勝利を収め、花巻東戦では9回までノーヒットに抑える好投を見せた。
慶應義塾大入学後は1年秋に明治神宮大会優勝を経験。常時140キロ前後の速球を両サイドヘ投げ分け、派手さはないものの、淡々とゲームメイクする投球は見ていて安心できる。
3年春には4勝を挙げるなど通算7勝。明治神宮大会では初戦と決勝戦で先発し、慶應義塾大の中心投手へ成長した。
3人目は龍谷大の中澤 嶺(比叡山出身)。滋賀県中東部の竜王町にある軟式クラブチームの竜王ジャガーズ出身で、全国的には無名だったが、滋賀県内では好左腕として注目を浴びていた。龍谷大に進学し、2年秋では防御率0.95、4勝の活躍で、優勝に貢献。関西選手権でも2試合に登板し、第2代表決定戦では、1失点の好投を見せた。インステップ気味から繰り出す140キロ前後の速球、スライダー、チェンジアップを駆使して、6回裏に勝ち越し打を許したが、3回4奪三振の快投を見せた。