「岡本世代」と「村上世代」が球界の新時代を担う
高校時代の岡本和真(智辯学園)と村上宗隆(九州学院)
ヤクルト村上宗隆内野手が12日の中日戦で33号3ランを放った。本塁打トップの巨人・岡本和真内野手に3本差と迫ると同時に、打点も3を積み上げて87打点とした。岡本和も、この日本塁打こそでなかったが、打点を1稼いで98とした。村上にとって、厳しい差ではあるが、逆転可能なギリギリのラインにはいる。今季のタイトル争い、優勝争いのキーマンになるであろう2人のバットからは目が離せない。
村上は通算100号到達まであと2にした。自信の記録だけに目を向ければ、19年にマークした36本塁打、96打点の自己最高を更新する勢いでもある。東京五輪でも日本の金メダルを引き寄せた本塁打を放ったジャパンの大砲は、プロ4年目で大きな花を咲かせようとしている。
今後もセ・リーグの打者部門のタイトル争いを引っ張る存在となることは間違いないが、この2人の世代にはどんな選手がいるのか、ちょっと振り返りたくなった。
巨人1位指名の岡本と同期に当たる14年ドラフトはどんな高卒選手がプロ入りしたのか。
【主な14年高卒ドラフト指名選手】
巨人1位 岡本和真内野手(智辯学園)
西武1位 高橋光成投手(前橋育英)
楽天1位 安楽智大投手(済美)
日本ハム2位 清水優心捕手(九州国際大附)
日本ハム3位 浅間大基外野手(横浜)
オリックス2位 宗佑磨外野手(横浜隼人)
オリックス3位 佐野皓大投手(大分)
ソフトバンク1位 松本裕樹投手(盛岡大附)
ソフトバンク2位 栗原陵矢捕手(春江工)
なかなかのメンバーである。さらに4年後、大学で技も体も磨いた「同級生」たちがドラフトで指名されたのが18年だった。
【主な18年大卒ドラフト指名選手】
楽天1位 辰巳涼介外野手(社ー立命館大)
楽天2位 太田光捕手(広島広陵ー大商大)
ロッテ3位 小島和哉投手(浦和学院ー早稲田大)
中日2位 梅津晃大投手(仙台育英ー東洋大)
オリックス育成1位 漆原大晟投手(新潟明訓ー新潟医療福祉大)
DeNA1位 上茶谷大河投手(京都学園ー東洋大)
巨人1位 高橋優貴投手(東海大菅生ー八戸学院大)
ソフトバンク1位 甲斐野央投手(東洋大姫路ー東洋大)
西武1位 松本航投手(明石商ー日体大)
今季限りで引退を表明している西武・松坂大輔投手と同期を「松坂世代」と呼ぶように、「岡本世代」もなかなかだ。
3学年下になるが、いやいやどうして「村上世代」となる17年ドラフトの高卒選手のメンバーも負けていない。
【主な17年高卒ドラフト指名選手】
ロッテ1位 安田尚憲内野手(履正社)
ヤクルト1位 村上宗隆内野手(九州学院)
日本ハム1位 清宮幸太郎内野手(早稲田実)
中日4位 清水達也投手(花咲徳栄)
DeNA3位 阪口皓亮投手(北海)
西武4位 平良海馬投手(八重山商工)
ソフトバンク育成3位 リチャード(沖縄尚学)
広島1位 中村奨成捕手(広島広陵)
そして今年の秋は、この「村上世代」の大卒組が指名される年でもある。「清宮世代」と言われたが、プロに入れば実力社会。「村上世代」がさらに日本プロ野球を担う存在となるだろう。
「岡本世代」と「村上世代」。今年で球界を去る松坂の時代から、主役の座を奪っていくに違いない。
(記事=浦田 由紀夫)