DeNA・阪口の前に敗れた137キロ右腕が大学準硬式の日本一導く
東海大学札幌校・丹波
9月9日、[stadium]八王子市民球場[/stadium]にて清瀬杯第53回全日本大学選抜準硬式野球大会(以下、清瀬杯)の決勝戦が開かれ、東海大学札幌校が大会初優勝を飾った。
8年ぶり12度目の出場となった九州地区代表・久留米大学との決勝戦は、3回に先発・丹波 結都(東海大札幌出身)が2点を失い、東海大学札幌校が追いかける展開となった。
しかし打線が4回に機能する。
一死から久留米大学先発・岡野 遼大(天草出身)から四球を選んで満塁とすると、9番・平澤 輝(東海大諏訪出身)の内野ゴロなど2対2の同点に戻す。なおも二死満塁と繋ぐと、2番・雄鹿 真司(東海大札幌出身)が右中間を破る勝ち越し打で5対2と試合をひっくり返した。
3点リードをもらったマウンド上・丹波は「ストレート以外のスライダー、ツーシームで抑えられたのが良かった」と連投による疲労を考慮して、120キロ台のストレートをあまり使わず、110キロ台の変化球主体の投球で久留米大学の反撃を封じる。
逆に8回にダメ押しとなる3点をもらった丹波は9回5失点で完投。8対5で久留米大学を下した東海大学札幌校が清瀬杯初優勝を果たした。また、北海道地区にとっても初めてとなる清瀬杯での優勝だった。
予選でWエースを担った村上 大介(東海大札幌出身)が諸事情により大会欠場。投手登録をされていた田中 大地(立花学園出身)も怪我によって万全ではなかったため、外野手を兼任する丹波が1人で大会を投げ抜く以外なかったという。
そこで活きたのが、大脇監督が指揮を執っていた東海大札幌時代の教えだった。
「打者を打ち取るのはスピードだけではないと高校で教わったので、打ち取り方といいますか、打ちずらいボールを投げれば抑えられると思っていました。
それが今大会、相手にとっては『ボールは速くないのにどうして打てないんだろう』となって、抑えられたと思います」
4年前、丹波が夏の南北海道決勝で、阪口 皓亮(現横浜DeNAベイスターズ)擁する北海に敗れて甲子園にあと一歩届かなかった。ボールは変わったが、4年の時を経て全国の舞台に辿り着き、日本一の称号を手にした。この勝利は母校・東海大札幌にとっても嬉しい結果だったのではないだろうか。
(取材=田中 裕毅)
優勝した東海大学札幌校
準優勝の久留米大学