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2021年ドラフト候補・田中楓基(旭川実)が白樺学園にリベンジ!敵、味方も称賛する最速147キロ右腕を支える意識の持ち方

2020.10.07

2021年ドラフト候補・田中楓基(旭川実)が白樺学園にリベンジ!敵、味方も称賛する最速147キロ右腕を支える意識の持ち方 | 高校野球ドットコム
田中楓基(旭川実)

 昨秋の全道大会を制して神宮大会、そして今夏の甲子園交流試合に出場を果たした白樺学園。連覇がかかる注目校に立ち向かっていったのが、旭川実エース・田中楓基だった。

 最速147キロを計測する速球に加えて、鋭く変化するスライダーを軸にしつつカーブやチェンジアップを織り交ぜて打者を翻弄する本格派右腕。セットポジションから足を上げる際に少し体をひねりながら軸足に力を溜めると、勢いよく重心移動をしつつコンパクトに腕を回して素早くトップを作る。着地をすると鋭い回転に合わせて、最後は右腕を力強く振り抜いていく躍動感に溢れた投球フォームが印象的だ。

 中日で活躍された浅尾拓也投手を彷彿とさせる田中は、白樺学園相手に9回完投。被安打8、与四死球5、奪三振9、自責点1の内容でチームの勝利に貢献。ベスト8進出を決めたが、このボールに対して対戦した白樺学園の戸出監督は「田中君のワンランクレベルの高い力のあるストレートと変化球にチャンスを作りましたが、要所のところで力負け。差があったのかなと思います」とコメントしている。

 敵将も称賛するボールを投げ込んだ田中は昨秋、白樺学園と試合で先発したが、序盤で降板している。チームもそのまま8対13で敗れ、勝った白樺学園は北海道を制した。「うらやましいといいますか、悔しかったです」と苦い敗戦を5日のピッチングで晴らす形なった。

 最速147キロは同世代の中でも屈指のスピードボールであることは間違いない。これだけのスピードを出すために本人の中でポイントとなっていることを聞くと、柔軟性といったフィジカル面を磨き最大限力を発揮できるようにすることだった。
 「スピードは自然に出る感覚で投げていますので、フォームで意識することはあまりないです。その代わり、股関節や胸周りの柔軟性。さらには握力といった投げるために必要な要素は力を入れて取り組んでいます」

 また新チームになって意識面でも変化が生まれた。旧チームには先輩投手が多かったこともあり、「打たれたら仕方ないので、3年生に任せようと思って思い切り投げていました」とのこと。それもあって球速も出ていたが、新チームでは2年生で投手なのは田中のみ。

 こうしたこともあり、ポイントととしているのは9回を投げきること。そしてどのタイミングでギアを上げていくかのペース配分に注意を払っている。

 5日の試合は初回だけで2つの四球でピンチを招くも、2回から「自分で行くのではなく守ってもらっている野手に助けてもらろう」と意識を変えつつ、ストライク先行のテンポの良い投球へシフトチェンジして白樺学園打線を封じた。これには岡本監督も「初回見た時は『やばいな』と思いましたが、そこからよく持ち直したと思います」と語っているが、ペース配分は今後も向き合っていく課題となるのではないだろうか。

 「全員で1つ1つ勝っていきたいです」と最後は意気込みを語った田中。この勝利でますます脚光を浴びつつあるが、頂点まではあと3勝。2021年のドラフト候補の今後の投球に注目したい。

(記事=田中裕毅

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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