高知県高野連・県独自の大会開催可否は慎重に協議へ
昨秋四国大会城東戦で右越グランドスラムを放った山本大介(高知中央)
5月20日(水)・日本高等学校野球連盟(以下、日本高野連)は当初8月10日(土)に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕予定だった第102回全国高等学校野球選手権大会・及び同都道府県地方大会の中止を発表。この発表を受け高知県高等学校野球連盟(以下、高知県高野連)・山﨑 正明理事長は5月22日(金)に「高校野球ドットコム」の独占電話取材に応じた。
現在は四国地区では香川県・徳島県が7月中旬開幕でのトーナメント、愛媛県が8月上旬に各校1・2試合程度の大会開催を目指すなど、各地で都道府県別の独自大会開催への動きが起こっている最中。その中で、山﨑理事長はすでに5月8日(金)から約2週間おきに大会運営委員会を行う体制を採っていることを述べた上で「遅くとも6月20日(土)までに結論を出したい」と、高知県高野連としては5月23日(土)の運営委員会での拙速な方向性は示さず、あくまで慎重に協議を重ねることを明言した。
同時に山﨑理事長は、県独自の大会開催可否の判断基準として「今後の高知県内における新型コロナウイルス感染状況」や、日本高野連から都道府県高野連に提供される「大会開催・新型コロナウイルス感染拡大防止策のガイドライン」をベースとしてのマニュアル作成。
さらに5月14日(木)と20日(水)の2回にわたり「5月22日(金)をもってすべての県立学校の臨時休業を終了。また部活動は5月25日(月)から全校で学校長の判断により再開可能だが、検温などの感染拡大防止策や密集にならない段階的な部活動とすることを遵守。加えて練習時間は2時間程度、県外遠征や県内校同士による練習試合・交流試合は当面禁止。合同チームも合同練習は行わない」などを指示している高知県教育委員会からの通知厳守をあげている。
すでに5月20日(水)には「仲間とともに甲子園」という夢の舞台を目指し、懸命に努力を続けた野球部員の姿に光明を当てようと準備してきた当連盟では、今後も加盟校と意見交換しながら、「教育の一環」という基本理念を拠り所に、一致協力して部員を支援、育成して参りたいと思います」と公式コメントを残している高知県高野連。選手たちのはやる思いはあるだろうが、まずは高知県高校野球関係者の全てが目的を達成するためにルールを守る「辛抱の時」を過ごす。その積み重ねこそが自らの成果を発表できる場を創る最も大きなファクターとなることを、ぜひ理解してほしい。
記事:寺下 友徳
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