News

松井裕樹(桐光学園出身)、森友哉(大阪桐蔭出身)ら高卒組が躍動!大卒組は苦戦…95年世代ドラ1の現在地

2020.04.23

 野球の世界には「松坂世代」を始め、有力選手が集まった世代を「〇〇世代」と形容する流れがある。毎年12名のドラフト1位が生まれるので、平均すれば各世代に12名のドラ1がいることになるのだが、多い世代、少ない世代というのが出てくる。そこで世代別にドラフト1位を集計し、その現在地を見ていきたい。今回は高卒7年目を迎える95年世代だ。

高卒組と大卒組で明暗

松井裕樹(桐光学園出身)、森友哉(大阪桐蔭出身)ら高卒組が躍動!大卒組は苦戦…95年世代ドラ1の現在地 | 高校野球ドットコム
松井裕樹(左)、森友哉(右)

 95年世代からは高卒4人、高卒社会人1人、大卒5人、大卒社会人2人の計12人がドラフト1位指名を受けた。彼らの主な通算成績は以下の通り。

<2013年ドラフト>
松井裕樹桐光学園・東北楽天) 5球団競合
321試合 18勝33敗139セーブ 439.2回 564奪三振 防御率2.62

森友哉大阪桐蔭・埼玉西武) 単独指名
595試合 74本塁打 332打点 打率.298

鈴木翔太聖隷クリストファー・中日ドラゴンズ) 外れ1位
24試合 5勝5敗 87.2回 64奪三振 防御率4.41

渡邉諒東海大甲府・北海道日本ハム) 外れ外れ外れ1位
226試合 19本塁打 75打点 打率.250

<2016年ドラフト>
山岡泰輔瀬戸内・東京ガス・オリックス) 単独指名
80試合 28勝27敗 465.1回 408奪三振 防御率3.79

<2017年ドラフト>
東克樹愛工大名電立命館大・横浜DeNA) 単独指名
31試合 15勝7敗 192.1回 186奪三振 防御率2.71

斎藤 大将桐蔭学園明治大・埼玉西武) 外れ1位
25試合 1勝3敗 27.1回 17奪三振 防御率6.91

馬場皐輔仙台育英仙台大・阪神タイガース) 外れ外れ1位・2球団競合
4試合 0勝1敗 12回 11奪三振 防御率6.75

近藤弘樹安佐北・岡山商科大・東北楽天) 外れ外れ1位
11試合 0勝4敗 38.1回 18奪三振 防御率7.28

鍬原拓也北陸中央大・読売) 外れ外れ1位
21試合 1勝3敗 46.2回 51奪三振 防御率5.98

<2019年ドラフト>
宮川哲東海大山形上武大・東芝・埼玉西武) 外れ1位・2球団競合

小深田大翔(神戸国際大付・近畿大・大阪ガス・東北楽天) 外れ1位

 昨年のドラフト会議で、指名解禁となった大卒社会人選手たちがプロ入りした95年世代。各カテゴリーからバランス良くドラフト1位指名を受けている。

 高卒で入団した4人は、多くがチームの主力へと成長した。世代最強左腕の松井裕樹は、史上最年少での100セーブを達成するなど、守護神として君臨してきた。今季は先発転向し、ローテーション定着を目指す。松井と並び、森友哉もこの6年間で大きな実績を残した。2018年に正捕手の座を掴むと、2019年には首位打者、ベストナイン、MVPに輝くなど、大きく飛躍した。

 2人に遅れを取ってはいるが、渡邉諒も昨季は自己最多132試合に出場し、11本塁打。今季は不動のレギュラーへとステップアップしたい。唯一目立った活躍ができていないのが鈴木翔太だ。故障や血行障害など不運が続いているが、奮起したいところだ。

 高卒社会人は山岡泰輔1人のみ。1年目から先発ローテーションに定着すると、3年間で28勝と期待に応えている。昨季最下位から上位進出を目指すチームの原動力として、活躍が期待される。

 高卒組が奮闘しているのに対して、大卒組はやや苦戦している選手が多い。清宮幸太郎らに指名が集中したこの年、単独指名は東克樹のみ。その東は1年目こそ11勝を挙げて新人王に輝いたが、2年目は故障で4勝止まり。今季はキャンプ期間中にトミー・ジョン手術を行い、復帰まで1年半ほどとなっている。

 齊藤大将馬場皐輔近藤弘樹鍬原拓也らはいずれも一軍に定着できておらず、ここまで1勝以下。オープン戦で齊藤は2試合で防御率9.00、馬場、近藤は登板なしと順調とは言えないが、開幕延期の期間で調子を上げたい。オフにフォームを変更した鍬原は、2試合で防御率2.79と好投。開幕ローテーション入りを確定させていた。

 昨秋ドラフトで大卒社会人として指名を受けた2人は、文字通り「即戦力」としての期待がかかる。最速154キロ右腕・宮川哲は、故障で出遅れオープン戦登板はなし。3月25日の練習試合で復帰しており、開幕までに調子を上げていきたい。対照的にキャンプ、オープン戦とアピールに成功した小深田大翔は、開幕スタメンの可能性もあった。好調時に開幕できなかったのは不運だが、茂木栄五郎らとの遊撃争いを勝ち抜きたい。

 ここまでは高卒組と大卒組で、明暗が分かれてしまっている95年世代。大卒社会人も揃った今季、ここまでの内容を一掃するような活躍を見せてくれるだろうか。

記事:林龍也

関連記事
森下暢仁(大分商出身)ら大卒まで含めてドラ1指名は5人だけ 97世代ドラ1の現在地
◆宮川選手のインタビューを読む⇒投手人生スタートは高校から。社会人屈指の速球派・宮川哲(東芝)が154キロ右腕になるまで【前編】
高卒選手に最もチャレンジしているのはヤクルト・楽天?!過去10年の高卒1位競合選手から見るドラフト

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

中央学院が2戦連続2ケタ安打でセンバツ初8強、宇治山田商の反撃届かず

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】