ドラフト候補集団・慶応大。今年は木澤、関根、佐藤、瀬戸西の4人に注目

左から関根智輝、木澤尚文、瀬戸西純、佐藤宏樹

　昨秋の明治神宮大会優勝を決めた慶応大。今回はプロ志望を表明している関根智輝（都立城東出身）、木澤尚文（慶応義塾出身）、佐藤宏樹（大館鳳鳴出身）、瀬戸西純（慶應義塾出身）を取材した。

　関根は都立城東時代、143キロ右腕として3年夏にベスト4。高卒プロを考えていたが、最後の夏のピッチングのままではプロにいけないと考え、慶應大進学へ向けて、徹底とした受験対策を行い、見事に合格。1年春から開幕投手を務め、2年春まで5勝を挙げるも、肘を痛め、トミージョン手術を決断。4年春に復帰することを前提に地道なリハビリを乗り越え、昨年12月には打者相手に投球できるまでに。2年春に投球練習で150キロを出したようだが、「自分としては偶然出た数値で、スピードで勝負する投手ではないですし、変化球を駆使して抑えたい。まずは故障なく投げきりたい」と今年は先発投手として投げ抜くつもりだ。堀井哲也監督からも「安定感ではチームで一番」と評価は高い。

  木澤も高校時代、142キロ右腕として注目されたが、肘を痛め、最後の夏は120キロ台。慶應大入学後はフォームの細分化をして合理的な投球フォームを作り上げ、さらにウエイトトレーニングなどで肉体面も強化し、最速154キロまでに成長。さらに130キロ後半のスプリット、カットボールも習得し、堀井監督からは「ボールの威力は社会人のトップレベル投手と比較しても上回るものがあります。あとはそれを出し切ってほしい」と期待を込める。木澤はオープン戦で好投を続けるが、「まだ詰めの甘いところがあります」と反省の様子。チームの勝利にこだわり、1シーズン投げ抜くことにこだわっている。

　最速151キロ左腕・佐藤は、高校時代は初戦敗退。慶應大に進学し、意識の高い仲間にもまれながら、1年秋から活躍を見せるなど、中心投手として活躍したが、肘の故障もあり苦しい時期が続いたが、今は肘を治し、春のオープン戦でも登板を続けている。
「結果はあまり出ていないですが、自分の中で良いボールは投げることができています」と手応えを感じており、堀井監督も「社会人時代の田嶋（大樹・オリックス）と比較できる投手です。タイプは違いますが、田嶋のような切れのあるストレートを投げるのとは対象的に佐藤は威力のあるストレートを投げる印象があります」と2017ドラ1左腕に負けないものがあると評価している。

　そして瀬戸西は高校時代から堅い守備が魅力の遊撃手。大学では打球の速さに苦しんだが、それでも捕球、ステップ、打球反応などを工夫して、大学生トップクラスの遊撃手へ成長した。堀井監督も「守備の安定感は素晴らしいものがあります。打撃も対応力が出てきました」とここまでの成長を語る。瀬戸西は主将としてチームの勝利を目指すプレーを目指しながらも自分の実力をアピールできればと考えている。

 　慶応大が目指すのは、春も秋も勝ち点5の完全優勝。オープン戦では勝利が続いており、投打ともに仕上がりは順調。ラストイヤーでこの4人が躍動できるか注目をしていきたい。

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