来春の選抜から1週間500球以内に!昨春優勝の東邦から見えるエースをうまく使うコツ
東邦の主戦を担った石川昂弥
来春選抜から1週間以内に投球できる球数が500球以内に決まった。また、有識者会議でも話題になっていた3連戦回避も組み込まれる。
今回、1週間500球以内がどういう感じなのか、あまりイメージがわかない読者の方もいると思うので、まず今年の選抜優勝した東邦をモデルケースに考えてみたい。
3月30日(土)対広陵戦(中3日)
石川昂弥 101球 6回 計265球
奥田優太郎 16球 1回
植田結喜 26球 1回
道﨑亮太 12球 1回
3月31日(日)対筑陽学園戦(中0日)
石川昂弥 89球 7回 計354球
奥田優太郎 30球 2回 計46球
続く準決勝が4月2日(火)となったため、この時点でリセットとなる。
そして準決勝・決勝は以下の通り。
4月2日(火)対明石商戦
石川昂弥 143球 9回 計143球
4月3日(水)対習志野戦
石川昂弥 97球 9回 計240球
石川は選抜大会で594球を投げたことになるが、1週間500球以内ならば、東邦の例を見ればわかるように、点差が開いた段階でエースを温存できるほどの実力派の投手がいれば、1人のエースを中心とした投手運用ができるといえる。
こうしてルールを設けることで、数字を意識しながら運用できるようになったのは一歩前進といえるが、夏の甲子園になると、チームによって試合間隔のばらつきが激しくなること、特に過酷な真夏の中で、同じ投球数のままでいいのか、現行のルールからまだ見直しする必要性はあり、議論は必要だ。
この決定はシーズンオフ直前に決まったことは喜ばしい。もしシーズン中の決定ならば、チーム作りの在り方を見直さなければならないからだ。今の時期ならばまだ複数投手作りに向けた戦略を練ることができる。
こうしたルールにうまく順応できるのは昔から複数投手制を敷いているチームだろう。それが次回に紹介していく選抜準優勝の習志野である。
(記事=河嶋 宗一)
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