21世紀枠好投手列伝~甲子園を沸かせた男たち~【前編】
成章高校時代の小川泰弘
2001年から始まった「21世紀枠」。これまで多くの好投手が盛り上げてきた。さて、今回は「21世紀枠好投手列伝」と名付け、21世紀枠として登場した好投手たちをプレーバックしていきたい。まずは2001年から2009年までの好投手から。
2001年:比嘉 裕(宜野座)…背番号6、軸足の踵をあげて高々と上げるヒールアップ投法。腕も横振りで現代のトレンドにない投法。球速は120キロ中盤ながら、スライダー、シュート。横の軌道が中心で、いきなり浮き上がって落ちる「宜野座カーブ」を決め球とし、桐光学園、浪速といった強豪を破り、ベスト4入りを果たした。
2004年:木村正太(一関一)…ダルビッシュ有、佐藤剛士とともに「東北ビッグ3」とも呼ばれた好投手。きれいな上半身の回転から投げ込む投球フォームから常時140キロ前半のストレートを投げ込み、拓大紅陵戦に敗れた。その後、巨人に進み、2009年には中継ぎを中心に25試合登板。
2007年:小林久貴(都留)…山梨県内ではかなりの注目を浴びていた好投手。細身ながら体のバネが強く、躍動感ある投球フォームから130キロ中盤の速球とスライダーを武器にする本格派。センバツでは熊代聖人(今治西)と投げ合った。卒業後は東北学院大に進んだ。
2008年:小川泰弘(成章)…強豪・駒大岩見沢相手に2失点完投勝利。当時から体を沈み込ませて、振り下ろす投球フォームながら130キロ中盤の速球、スライダー、カーブをコントロールよく投げられる投手だった。創価大進学後、「ノーラン・ライアン投法」を極め、大学球界を代表する投手へ成長。ドラフト2位で東京ヤクルトに進むと、6年間で通算60勝。21世紀枠で出場した投手の中で最も出世した投手といっていいだろう。
2009年:塚本峻大(利府)…常時120キロ台と球速は速くないが、多彩な変化球を駆使して、4強入りを果たした。卒業後は東北学院大、日本製紙石巻に進み、活躍を見せている。