昨夏の甲子園をボールボーイとして見て学んだ大阪桐蔭・小泉捕手
第90回記念選抜高等学校野球大会で大会史上3校目の連覇を達成した大阪桐蔭。優勝した夜は宿舎のホテルが差し入れた[stadium]甲子園球場[/stadium]をかたどった特大のケーキに選手は驚きの表情。夕食はすき焼きで、[stadium]甲子園[/stadium]での優勝の喜びを分かち合いました。
一夜明けて学校に戻り、夏へ向けてのスタートを切っています。
この大阪桐蔭。史上初の2年連続優勝投手となった根尾昂選手、エースナンバーの柿木蓮投手、長身左腕の横川凱投手、そして2試合で登板した森本昂佑投手の4人で、5試合の失点が7と少なさが優勝への原動力の一つとなりました。もちろん、失点を許さなかった投手、守った野手の力は大きいのですが、投手を支える存在と言えば捕手も重要な一人ですよね。そこで今回は全試合マスクを被った小泉航平捕手を取り上げます。
「昨年、ベンチ入りできなくて悔しい気持ちがありました。夏はボールボーイとしてグラウンドに入らせていただき、先輩の福井(章吾)さんを見て勉強しました」と話してくれた小泉選手。実は昨春、レギュラー捕手だった岩本久重選手がケガをした時に、福井選手とともに代わりの捕手の候補でした。しかし岩本選手と同様に骨折をしてしまい、ベンチ入りのチャンスを逃してしまいます。昨春の選抜抽選会の時の取材で西谷浩一監督から「新2年生の捕手を岩本の代わりに入れようと思っていたのですが、彼もケガをしてしまいまして」と聞いていました。それが小泉選手だったんです。
西谷監督はこれまで、多くの代で次の世代の正捕手候補になる下級生捕手をベンチ入りさせてきました。しかし今世代の候補だった小泉選手はベンチ入りできず。その代わり、指揮官はボールボーイでグラウンドの中に入れ、勉強させようと考えました。
規定で、ボールボーイは試合中にベンチの選手と会話することは基本的に認められていません。しかしベンチの横に位置しているため、ベンチ内の声やグラウンド内を観察して勉強することはできます。そこでボールボーイとしての仕事をしながら、勉強していきました。
「配球、投手への声のかけ方、タイミング。福井さんを見て勉強しました」。
夏の甲子園3回戦で敗退した後、新チームで正捕手となった小泉選手。当初は試合経験の浅さを見せる場面もありましたが、一冬を超えた今春は正捕手としての自信と貫禄が見ていて感じられました。
春を制覇し、福井選手に少し近づいたかもしれませんが、まだまだこれからという表情を見せる小泉選手。春夏連覇を目指す捕手の成長をこれからも楽しみにして見ていきたいです。
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(文:松倉雄太)