慶應義塾・宮尾の判断!1点をめぐる攻防にあったあるプレー
第90回記念選抜高等学校野球大会6日目は3試合が行われました。今回は投手戦となった第1試合から。
終盤は慶應義塾の善波力選手の逆転2点タイムリーや。彦根東の高内希主将の再逆転となる3ランで盛り上がりましたが、中盤まではいかに失点を防ぐかという展開でした。その中でシビれる場面として取り上げたいのが、7回表の彦根東の攻撃。2アウト二塁という局面です。ここで彦根東の9番・永井結登選手が三遊間へ深めのゴロを放ち、内野安打性の当たりでした。処理した慶應義塾のショート・宮尾将選手は一塁に投げようか少しだけ考えしたが、間に合わないかもしれないと判断し、無理に投げませんでした。ここでポイントなのが2アウトだったため、二塁走者(川嶋清太選手)が三塁に達していたことです。『一塁に投げてもアウトにできないかもしれない』と判断しても、通常はダメ元で投げてしまいがちになるものです。しかし宮尾選手は投げるという選択を消しました。
試合後、宮尾選手に「一塁へ投げると、二塁走者が本塁を狙うかもという思いもあったのですか?」と質問しました。答えは「それもありました」。
一塁へ投げて、もしセーフだったら、本塁へ走られて1点を取られるかもしれない。昨夏に見せたように観衆がビックリするようなプレーを持ってい彦根東ならば、ショートが投げた瞬間に本塁へGOという戦術があっても不思議はありません。
一瞬の判断で難しいところもありますが、結果的にこのイニングを無失点に抑え、次の回に善波選手の一打で一度は逆転したことを考えると、宮尾選手の判断は好プレーだったと言えるのではないでしょうか。
大会第6日の結果です。今大会では主演である選手と同じく、グラウンドで試合を作る共演者と言うべきジャッジをする審判の方と一緒に紹介しています。( )は各都道府県の持ち回りの派遣審判です。
今日は大会第7日。第3試合は3回戦です。
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(文:松倉雄太)