ダルビッシュ、カブス入団決定!元GM山田正雄氏が振り返る日ハム時代の獲得秘話
左から高校時代のダルビッシュ有投手、山田正雄氏
ロサンゼルス・ドジャースからFAとなっていたダルビッシュ有投手がシカゴ・カブス入団が決まり、現地時間13日、入団会見を行った。
昨年、ワールドシリーズでも登板し、MLBを代表する剛腕として地位を高めているダルビッシュだが、今回はあまり知られていない2004年、北海道日本ハムファイターズに指名されるまでの獲得秘話を紹介したい。
NPBの各球団は1人の選手を指名するまで、実力だけではなく、人間性、取り組む姿勢までチェックする。ダルビッシュの実力は申し分ないと評価していた日本ハム。当時のGMだった山田正雄氏(現・スカウト顧問)は、最後のチェック事項である人間性をつかむべく、「東北高校の練習グラウンドに訪れたが、何回練習を見ていても全然つかめなかった」と振り返る。
甲子園が終わり、山田氏はダルビッシュの性格を見抜くために、台湾・台北で開催されたAAA世界選手権まで追いかけた。
「彼を見るために前から2番目ぐらいの席にずっといました。そうしたら、台湾戦でもキューバ戦でも打たれたんですが、代えられてベンチの裏へ行ってそのまま出てこないと思っていたら、出てきて応援するんですよ、一生懸命。それを見たとき、あいつの性格は捨てたものじゃないなと思いました。それで、いってみようかなと」
こうしてダルビッシュ有の1位指名が決まったが、ダルビッシュの評価に対して山田氏は「いろいろな人が語る『ゼロか100か』という見方は正しいと思います。私もなかなかつかめませんでしたから」と語る。
1年目、ダルビッシュ有は前半戦は登板できなかったが、後半戦からデビューを果たし、5勝。その後は右肩上がりで成績を伸ばしていった。
ダルビッシュの素直でチーム思いの人柄を見抜いた山田GMの慧眼ぶりがなければ、今のダルビッシュはない。新天地となったカブスでどんな活躍を見せるのか、楽しみだ。