センバツ選考の気になる選出理由!記者会見で発表された四国地区のワケ
発表から少し日が経ちましたが、今回はあらためて26日に行われた選抜選考委員会を3回に渡って振り返ってみたいと思います。各地区の選考状況は当日、主催者がネット生中継を行いましたので、それ以外の部分である選考委員会総会終了後の記者会見の部分です。
記者会見には各地区別小委員会委員長4人と、選考委員会全体の委員長である日本高校野球連盟の八田英二会長が出席します。
① 北海道、関東、東京の3地区委員長 磯部史雄さん
② 東北、近畿の2地区委員長 杉中豊さん
③ 東海、北信越、九州の3地区委員長 松元泰さん
④ 中国、四国の2地区委員長 井尻陽久さん
記者会見ではまず、八田会長が全体の印象を話しました。
「出場校をご覧いただいてわかりますように、連続出場が5校、初出場が10校になっています。復活出場は膳所の59年ぶりを筆頭に、日本大学山形が36年ぶり、瀬戸内が27年ぶりなどフレッシュな顔ぶれになりました。もう一つは、滋賀県から3校選ばれたのが特徴かと思います。こういう形で選ばれた36校の選手が練習を積み重ねていただいで、そして[stadium]甲子園[/stadium]という大きな舞台で今までの練習の成果を思う存分発揮してほしいと思います」。
この後、各記者からの質疑応答が行われました。
記者質問:「四国地区についてお聞きします。先程説明が少しありましたが、四国大会の成績ですと高松商業がベスト4で高知がベスト8と逆転現象になりました。その辺りの経緯を詳しく教えていただければと思います」。
四国地区・井尻委員長:「四国地区で一番悩んだところが、高知と高松商業をどうするかということでした。ご承知のように、ベスト4には高松商が残りましたが、試合内容が6回コールドで2対12と10点差というところでそこが問題になりました。で、同じ英明に対し高知が準々決勝の直接対決で7対8で1点差。シーソーゲームで高知が十分に勝つチャンスがあった試合でした。で、高知は10月30日に四国大会1回戦を戦い、その翌日の10月31日に英明と試合をしました。その英明は県1位校のため、1回戦がなく2回戦で待っていたんですね。で、高知のエース中屋投手は連投でした。一方で、高松商は(1回戦から連戦)の2回戦の鳴門戦で8回に一挙8点を取って勝った。鳴門圧倒的なリードで勝つんじゃないかという流れの中でよく勝ったという見方もできますが、総合力で高知の方が上と判断しました。さらに英明と高松商の準決勝は両チームとも中3日休みがあってエース同士の対戦で大差がついてしまった。ベスト4を選ぶのが無難なのですが、中味を見て決めました。10人の選考委員で最初は高知が7人、高松商が3人だった。で、時間をおいて30分後に話をしましょうということでもう一回話をして、最後は総意で高知に決めました」。
井尻委員長の最後のコメントである「時間をおいて30分後に話をしましょう」というのは、記者会見では中々出てこないコメントだったように感じます。世間的には選考委員会で『もめる』という表現が使われることもありますが、最終的には井尻委員長のコメントのように「総意」で決めます。最初は高知7対高松商3でしたが、時間をおいて各委員がもう一度考え、最後は「総意」で高知に決まりました。補欠となった高松商は残念な結果になりましたが、香川大会で優勝すれば[stadium]甲子園[/stadium]に出場できる夏に向けて頑張ってほしいと思います。
明日は関東地区5番目の経緯について取り上げます。