高校3年生、高校野球を終えたばかりだから出来ること
高校3年生、高校野球を終えたばかりだから出来ること
第99回全国高等学校野球選手権地方大会。昨日(21日)は、29大会で144試合が行われました。
今日(22日)は、41大会で162試合が予定されています。決勝は3大会。
北北海道大会 : 滝川西vs白樺学園
岩手大会 : 盛岡大附vs久慈
福島大会 : 聖光学院vsいわき光洋
さて、昨日に続いて高校野球を終えた3年生について考えてみたいと思います。
夏の大会を終えた3年生の皆さん、【引退】という言葉を安易に使っていませんか?
以前、大阪桐蔭の西谷浩一監督にインタビューをさせていただいた時に、こんなことを話されていました。
「よく高校生は夏の大会が終わると【引退】という言葉を使うのですが、引退というのはユニフォームを脱ぐ時だと私は思います」。
別のチームのある監督も、「高校で完全に野球を辞める子以外は【引退】という言葉を使ってほしくない。正しくは卒部ですから。それに、本当の卒部は高校を卒業する時。ウチでは、翌年の3月31日まで高校の野球部員であることを教えるようにしています」と話していました。
この時期、SNSなどを見ていると、3年生の【引退】という言葉が目立ちます。確かに、新チームに移行していき、3年生は公式戦には出場できません。でも、考えてみてください。夏の大会が終わったばかりの今の時期なら、体も動くはずです。疲労をしっかりと回復させた後は、新チームの練習を一緒にしてみませんか。大学など次の進路で野球を続ける選手は、もちろん自分のための練習にもなりますし、一緒にやることで新チームが少しでも強くなるきっかけにもなるのではないでしょうか。秋の大会を取材していると、「3年生が夏から一緒に練習をしてくれたおかげです」と話す下級生によく出会います。その言葉を聞くたびに、新チームの根幹は3年生の存在なんだと感じます。
監督やコーチなど指導者の皆さんも、あらためて、3年生は来年の3月31日までは高校野球の部員であることを生徒に教えてあげてほしいと思います。そして、3年生を夏に遊ばせておくのではなく、ぜひ一緒に練習に参加してもらって、戦力として新チームに生かしていくことを考えてみてはいかがでしょうか??
(文:松倉雄太)