プロのキャンプでは短時間で「走攻守」を効率よく鍛える練習を行っていた!!
キャンプの様子
プロ野球キャンプレポート!プロが行う練習メニューとは?
■どの球団も毎日行うバッテイング廻り
プロ野球選手は、この2月、キャンプに臨み、シーズンで活躍するために備えて、日々、練習に励んでいる。その毎日行われる練習の中からプロの選手たちはどういうものを求めて練習に取り組んでいるのかが見えてくる。キャンプを見ていくと、毎日、バッテイング廻りと呼ばれる練習を行っている。この練習内容を詳しく説明すると、野手を4つ程のグループに分け、打撃、守備、走塁、バントをそれぞれ順番にこなす。チームによってはバントがティー打撃になったり室内打撃になったり、「打撃」の中にバントもティー打撃も含んでいたりはするが、基本的に大きな違いは無い。ホームベース付近に設置された2ヶ所のゲージでフリー打撃を行い、グラウンドでは内野手がノックを受ける。
外野手もノックを受けることはあるが、打球練習の打球を追って捕球練習をすることが多い。走塁では打撃投手のモーションに合わせてスタートを切ったり第2リードを取り、打球に合わせてゴーかバックの判断をする。これを一塁、二塁、三塁でそれぞれ行う。打撃は本数ではなく時間で区切られ、ここが基準となって各組がローテーションする。これはキャンプ中だけでなくシーズンに入っても試合前練習で行う内容とほとんど同じ。ここで見えるのは、1つの練習で「打撃」「走塁」「守備」を鍛え、さらに自分の技術を磨いているのだ。与えられた時間は一緒。限られた時間の中で、質のある練習を取り組むことができるか?それはプロ野球の選手たちはしっかりと実践をしている。この練習メニューはNPBに限ったことだけではなく、沖縄でキャンプを張るKBO(韓国のプロ野球)のチームも行っていた。
■投内連携はキャンプ中に磨く
一方、投手陣はキャンプならではの光景が見られる。シーズン中、試合前練習では投手と野手は完全に別メニュー。投手はランニング、野手は上記の練習を中心に試合に向けて調整を行い、移動日も先発投手以外はオフとすることが多いため、バント処理や簡単なノックをファールグラウンドですることはあっても野手と合わせての投内連携はほとんどない。そのためファーストゴロでの一塁ベースカバーやバントでの各塁への送球、ランナー付きのゲームノックでのカバーリングやランダウンプレーなどは、キャンプ中に集中して行う。また、一、三塁からの重盗に対する守備など1年に1度あるかないかのプレーに対しても、時間をかけて確認する。
ちなみにプロ野球では毎年サインが変わるため、キャンプ中に動きを合わせるのはサインを確認する意味もある。しかも1軍と2軍でも異なり、シーズン中であってもトレードが行われるとサインは変更される。
全体練習は朝10時にアップ開始で15時過ぎには終わることが多く、その後に個別練習の時間となる。この時間はプロ野球選手にとって一つのことに打ち込める貴重な時間だ。例えば、今季からセカンドにコンバートされたロッテの鈴木 大地は、昨季まで務めたショートとは逆の動きとなる二塁送球の練習を繰り返していたし、ショートのポジション争いを繰り広げるヤクルトの西浦 直亨はショートスローのみに時間を割いていた。対外試合で登板した際に変化球の制球に苦しんだロッテの成田 翔は翌日、予定表には書かれていなかったが志願してブルペン入り。立ち投げのみだったが決め球のスライダーは1球も投げず、カウント球のカーブを10球以上続けるなど明確な目的意識を持って練習に取り組んでいた。この時間で課題克服にじっくり時間をかけるという点ではプロもアマチュアも同じだ。