News

野球普及のモデルケースに!中学野球部顧問が取り組んでいる「野球人口増加プロジェクト」とは?

2017.02.12


彩球野球学校の様子。この活動も野球振興活動の一つ

いずれは野球普及のモデルケースに!中学野球部顧問が取り組んでいる「野球人口増加プロジェクト」とは?

 現在、野球人口拡大のため、NPB、高野連など各団体が中学生以下の子どもたちに野球教室などを行い、普及活動に務めているが、その中で画期的な活動を行っているのが、埼玉県川口市の中学野球部の先生方が取り組んでいる「野球人口増加プロジェクト」だ。毎年2月11日に埼玉県で行われている彩球野球学校の運営に携わっている中学軟式野球部の指導者を中心に今年度からスタートした。

 今回、このプロジェクトにかかわっている川口市立領家中の野球部顧問・武田尚大先生に発足のきっかけを伺った。きっかけは、川口市の中学の野球部が廃部したことがきっかけだという。
「野球部を一度廃部することは簡単なのですが、また部を復活させることは本当に大変な作業なんです。川口市は野球処で有名な市なのですが、その川口市にある中学の野球部が1つなくなるということにかなり危機感を感じましたし、川口市内にある公立中の野球部の平均部員は12人。1学年だとチームが組めません。本当に大変な状況ですが、このままではさらに危機的な状況になってしまう。それをなんとかしたい思いでスタートしました」
野球人口増加プロジェクトの主な取り組みは
・サークルベースボール
・坊主の禁止
・父母会のお茶当番の廃止
の3つだ。
武田先生は野球は初心者にとって敷居が高く、気軽に取り組めない難しいスポーツだと思ったという。そのため子供たちにとっても、大人にとっても障壁となるものをなくしていったが、武田先生がその中でこだわっているのはサークルベースボールだ。サークルベースボールの対象者は小学生。
 このサークルベースボールは、3人でできるもので、9人がいなくても楽しめるものとなっており、投手は打ちやすいボールを投げるなど、子供たちに打つ喜びを覚えてもらって、野球を始めるきっかけを作るのが狙いだ。
「こういう遊びの中で、少年野球に入るきっかけとなったり、また中学野球をやるきっかけになれば」と武田先生は語る。大人世代では9人揃わなくても、野球を遊びとしてごく自然とやっていたものだが、今の子供たちにはそれをやるきっかけもないのが実情で、そのことに危機感を覚えた武田先生をはじめとした川口市の中学の先生方が小学校へ呼びかけているのだ。
武田先生はこういう取り組みが全国にも広まってくれればと期待する。
「サークルベースボールのように独自にルールを決めてもらって、ぜひやっていただきたいですし、こういう取り組みによって少しでも野球が好きになる小学生が増えて、いずれ先のステージまで続けてほしいですね。今の子供たちに気軽に野球ができて、楽しめる環境が増えてくればと思います」
小学校、中学校の野球部員の減少はそのまま高校野球にリンクするだけに目を向けなければならない問題である。
今回、川口市の中学校の先生方を中心に取り組んでいる「野球人口増加プロジェクト」が、野球普及活動のモデルケースとなることを期待したい。

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.15

【春季東京都大会】日大豊山、注目の好投手を攻略し、コールド勝ち!指揮官「うちが東京を勝ち上がるには機動力しかない」

2024.04.16

社会人野球に復帰した元巨人ドライチ・桜井俊貴「もう一度東京ドームのマウンドに立ちたい」

2024.04.15

【福島】聖光学院は福島明成と「福島北・伊達」連合の勝者と対戦<春季県大会支部予選組み合わせ>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.10

【沖縄】エナジックが初優勝<春季大会の結果>

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.11

【千葉】中央学院は成田と磯辺の勝者と対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>