鹿児島県高野連が高校野球研修会を開催!投球障害とコンディショニング方法を学ぶ!
高校野球研修会の様子
「自分の身体を知る」 高校野球研修会
鹿児島県高野連が主催する指導者や選手を対象とした研修会が1月21日、鹿児島市の鹿児島甲南高体育館で行われた。県高野連の監督会を中心に現場のリクエストを募り、投球障害についての講演や身体のコンディショニング方法の紹介などがあり、指導者、選手ら約200人が熱心に学んでいた。
「投球障害の原因と治療」と題して鹿児島大医学部整形外科の栫 博則・診療講師が講演。投球障害の代表的な症例として、投球動作時に肩関節前方に痛みが走るSLAP損傷を取り上げ、「肩関節の過度な外旋が一因と考えられる」。投球障害など肩の痛みは、それを引き起こす動作を繰り返した結果であり「休んでいる間にその原因を解明して、正しい動作を身につけなければ同じ障害を繰り返す」と警鐘を鳴らした。
子供の身体発育には脳・神経系が発達する5―8歳の「プレゴールデンエイジ」、呼吸・循環器系が発達する9―12歳の「ゴールデンエイジ」、筋・骨格系が発達する13-16歳の「ポストゴールデンエイジ」と段階がある。指導者は個体差もあることを考慮に入れ「成長段階で過度な負荷をかけるトレーニングは避け、それぞれの年代に適したトレーニングを」と提唱した。
続いて、社会人野球チームや県内の高校などでトレーナー活動をしている髙司 譲さんが「野球選手のためのコンディショニング」と題して、障害予防のためのストレッチの仕方やトレーニング方法などを紹介した。「ジュニア期の障害が大人になっても影響する」として「こういった啓発を小学校から大人まで連携して取り組むことが大切」と訴えた。
参加した奄美の下池 大哉部長は「選手にケガをさせないことが指導者の一番の務め」であり「自分の身体がどうなっているか、知ることの大切さや、チェック方法、トレーニング方法を学んだ。早く島に帰って、いろんな人に紹介したい」と感想を話した。会場には小中学校の指導者も多数参加していた。鹿大附属中の西山 泰佑監督は部員と一緒に学んだ。「将来、医者になりたい部員もいて目を輝かせて聞いていた」と話し「3年生の最後の大会をケガで出られないことだけは絶対に避けたい。スライドや動画を使った説明だったので分かりやすく、すぐに取り入れられそうなことがたくさんあった」と話していた。