【センバツ】秋の王者・高松商 20年の時空を越えセンバツへ!
紫雲会(学校OB)会・野球部後援会・高商倶楽部(野球部OB会)の祝辞を受ける野球部一同
秋の王者高松商・20年の時空を越えセンバツへ!
昨年明治神宮大会優勝を表すブルーの線が入ったストッキング見本を示す米麦 圭造と浦 大輝
1月29日15時31分、毎日新聞大阪本社でのセンバツ推薦決定と時を同じくして、昨年の秋季四国大会優勝旗と明治神宮野球大会優勝旗が両脇に掲げられた香川県立高松商業高等学校校長室机上の内線電話が鳴った。小刻みに震える左手で「ありがとうございます。謹んでお受けいたします」と答える中筋 政人校長。
待ち続けたOB・OG、地域の方々の嬉し涙がいっぱいに天上から降る中、1924年(大正13年)第1回・1960年(昭和35年)第32回センバツ優勝をはじめ、過去、夏の甲子園出場19回(うち優勝2回<1925年・1927年>)、国体出場3回(うち優勝1回<1958年・作新学院(栃木)との同時の初出場初優勝>)、明治神宮大会出場2回(うち優勝1回<2015年>)を誇る名門・高松商の20年ぶり26回目のセンバツ出場はこうして決まった。
その後、中筋校長は犬伏 英人部長、藤澤 宗輝副部長、長尾 健司監督に選手33人、女子マネジャー6人が待ち受ける北体育館一階のピロティへ向かいセンバツ出場決定を報告。
「君たちは夢の実現へ向けて一歩前進した。あと2ヶ月、誠実に野球の練習と勉学に励んで、甲子園で力いっぱいプレーし、そして1人でも多くの人に心から応援されるように頑張ってください。甲子園出場、おめでとう」と激励すると米麦 圭造主将(2年・遊撃手)は「甲子園では1人でも多くの人たちに感動してもらえるようなプレーをします。ありがとうございました」と力強く語った。
また、香川大学付属坂出中から高校野球就任2年目で甲子園出場を果たした長尾 健司監督は「ホッとしたのと同時に身が引き締まる思い」と改めて居住まいを正すと「センバツ出場32校中32番目の指導者として31人から学びたい」と昨秋の全国頂点獲得の一因でもあるチーム全体での吸収力を継続していく決意を述べた。
セレモニー中にはセンバツがお披露目となる明治神宮大会優勝を表すブルー線が入った6本線入りのストッキング見本も披露され、いよいよ本番モードに入った高松商。秋の王者に全く驕らず「チャレンジャーとして甲子園に臨む」(2年・中堅手・安西 翼)の見据えるものは主将・米麦をはじめとする選手たちも指揮官も意を同じくする「勝つために1つずつ、27個のアウトを取っていく」20年の時空を超える野球である。
(取材・文 寺下 友徳)