目的は次世代の指導者育成!東京都高野連が指導歴3年未満対象の指導者研修会を開催!
東京都高等学校野球連盟会長・堀内 正氏
目的は次世代の指導者育成!東京都高野連が指導歴3年未満対象の指導者研修会を開催!
11月28日、東京都高等学校野球連盟は海城高校講堂にて、高校野球指導歴3年未満の指導者に対して、指導者研修会を開催した。東京都で指導歴3年未満を対象とした研修会が行われるのは初の試み。
「高校野球に携わる方々には、高校野球の基本の全てを知っていただきたいということで、各都道府県で今回のような研修会を継続的にやっていこうということになりました。東京も本日が初めての開催となりましたが、来年以降も、若い指導者の方々に受講していただいて健全な高校野球へと進めていきたいと思います」と、専務理事・武井 克時氏から説明。
今回の研修会は、2部構成で講義が行われた。
まず第1部では、東京都高等学校野球連盟会長・堀内 正氏が、「野球だけでなく、人間的に素晴らしい選手を育てていただきたいです。野球を離れた日常生活においても、選手に行き届くような指導をしていただきたいと思います」と挨拶を述べる。
日本高等学校野球連盟副会長・西岡 宏堂氏
次に公益財団法人日本高等学校野球連盟・副会長の西岡 宏堂氏が「一人一人の生徒が輝く野球部を目指して」と題して、日本学生野球憲章の説明を行う。
「『連帯』という言葉について、よく問います。『連帯責任』なんて聞くと、何か悪いことをしたんじゃないかという印象がありますよね。『学生野球は、友情、連帯、そしてフェアプレーの精神を理念とする』という一文が学生野球の基本原理にあるんです。嬉しいことは、『おめでとう!やったな!』と言って連帯できると思う。しかし悲しいこと、辛いこと、失敗したことがあった時に、この苦しみや悲しみも共有しようと言っているんです。それが連帯です。チームメイトが悩んだり苦しんだりした時にこそ、その苦しみを、仲間たちに語れるような部であるべきなんです。そう言った意味が『連帯』にはあります」
そして、「辛い経験」や「試合で負けた」経験は生徒を育てると続ける。
「そういった経験からの方が得るものは多いんです。社会に出た時に役立つことは多い」
社会は思うようにいかないことばかり。そこから何をするべきなのか、つらいことが多い高校野球はそれを学べる舞台なのだ。
野球以外の話題では、「(選手たちに)予習することを行って欲しい。例えば、授業では予習をしてくれば、あらかじめどんな内容か分かるし、そこで疑問に思ったことの答えが出てきたりする。一方的に受身ではダメだよということ。何をやるにも主体的に、積極的にということを伝えたい」と語る。
東京都高等学校野球連盟専務理事・武井 克時氏
第2部では、東京都高等学校野球連盟の各部署より高校野球に携わる上で必要な知識に関する講義が行われた。
まず、武井理事長から、「東京都高野連の一番の目的は、高校球児のために一番良い環境で野球をやらせてあげたい」と球児に対して熱い想いを語る。
続けて、高校野球における大切なことに関して
「高校野球で、人格形成はもちろん大切です。だけど、健康管理をしながら安全な野球をする環境を与えることが、我々に与えられた使命です。私が思う素晴らしい指導者像は、まずは正しい知識を持っていて、できれば高いスキルも持っていて、それに加えて人格だと思います。子どもたちが憧れる、尊敬できる指導者を目指してください」と参加者にエールを送る。
武井理事長の後に、競技部・千葉 智久氏、審判部・西尾 由紀治氏、野球を行う上で大切な健康をサポートする理学療法士・北野 守人氏、記録・調査部の戸張 誠氏から、それぞれ指導者として身につけておかなくてはならない知識のお話をいただいた。
参加者たちは、終始メモを取ったり登壇者の話に頷いたりと、双方の熱意がひしひしと伝わってくる研修会となっていた。
14時から開始された会も、受講生の熱意に感化された登壇者たちの熱い講義が17時40分まで続き、研修会終了後の参加者たちからは満足の表情が見て取れた。
東京都高等学校野球連盟では、今後も今回のような活動を継続的に行っていく予定。
加盟校数が47都道府県最多の270を超える東京都高等学校野球連盟。今夏の甲子園では早稲田実業、関東一ともに4強入りするなど、名実ともに優れていることは間違いない。将来、この東京都の高校野球を背負っていく若き指導者たちの新たな一歩に期待が膨らむばかりである。
【高校野球ドットコム編集部】
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