【東京】東南アジア親善高校野球試合の解散式が開催される
▲市原勝人監督(二松学舎大附)
東南アジア親善高校野球試合の解散式が開催される
1月19日、東京都高校野球連盟は都内にて、12月下旬に実施された東南アジア遠征の解散式を行った。
今回の遠征の目的は、ミャンマー、シンガポールへの野球振興である。武井 克時理事長は
「遠征前に描いていた計画を紙に書いていたのですが、ほぼ達成できたのかなと思います。これは周到な準備があったからこそであり、とても実りのある遠征だったと思います。選手の皆さんは、今回の遠征で、よき友、よきライバル、一生の友ができたのではないかと思います。夏は大暴れを見せていただきたいと思います」
と選手たちの健闘をたたえた。代表監督の市原監督は、「良いチームでした。最後は、情が入ってしまいましたね。本当に彼らと別れるのは寂しいですね」と別れを惜しんでいる様子だった。だが「春、夏で再び彼らと戦うのが楽しみですね」と今度は敵として戦うことを心待ちにしていた。
代表18名の選手は、1人ずつ、今回の遠征の感想を述べていた。顔つき、発する内容ともにまた大人になったと思わせる内容だった。異国の地で、生活文化の違いに戸惑いはあったものの、自分の人生観が変わったと語る選手もいたり、また多くの選手がレベルの高い選手と接したことで選手として成長することができたと語っていた。そしてチームに戻った後、海外で経験したことを仲間に伝え、しっかりと還元をしていることを伝えていた。
今回の東南アジア遠征は野球振興という点でも、また選ばれた18人にとっても有意義なものになった。春季大会で、遠征を経験した選手たちの成長した姿を見られるのが今から楽しみである。
主将 北本一樹(二松学舎大附)
「レベルの高い選手とプレー出来たり、また苦しい環境で野球が出来たのは自分にとってとても良い経験になりました。僕は打撃が得意ではなかったのですが、田村孝之介、中道大波、勝俣翔貴の打撃を見て、打てる選手はこういう動作をしているんだなというのをいろいろ吸収できて、チーム内に打てる選手はこんな感じだよというのを伝えています。
そういう経験をして、自分のなかで、大変視野が広がったので、これからは幅広く見ていかないといけないなと思います。この経験で、より帝京に負けたくないと気持ちが強くなりました」
副主将 中道 大波(帝京)
「つらかったこともありましたが、いろいろな事を勉強することができました。遠征ではホームランも打てて、投手でも登板することが出来て、楽しかったです!一番はレベルの高い選手たちにプレーが出来たことです。夏は、昨夏の決勝で二松学舎大附さんに負けたので、リベンジを果たしたいです!」
副主将 田村孝之介(日大三)
「つらいこともありましたけど、楽しかったことも多かったです。小倉監督には、やっぱりミャンマーの食事、水について聞かれました(笑)。 将来的にはプロを目指しているので、その目標に到達できるように、頑張ります。夏は早稲田実業に負けたくないですね!」
大浜 永遠(日大豊山)
「大変なことがありましたけど、それでも勉強になることがたくさんありました。夏ではみんながライバルなので、負けたくないですね。ストレートをズバッと決めて、打ち取っていきたいです!でもそれだけでは抑えられないので、要所では緩急を使っていきたいと思います!」
加藤 雅樹(早稲田実業)
「捕手ではなく、外野手の出場が多かったので、慣れなかったですけど、無難にこなすことができました。シンガポール戦で高校通算38本目を打つことが出来て良かったです。
夏へ向けて、僕が打てない試合は負けているので、常に2安打を打てるようにしていきたい。8月に行われる18Uの日本代表になれれば良いかなと思いますけど、まずその前に甲子園出場!西東京の日大三、東海大菅生には絶対負けたくないと思います」
佐久本 凪(八王子)
「本当に当たり前だと思っていたことが当たり前ではないということを経験させてもらいました。でもうまい選手がたくさんいて、たくさんの考え方があって、いろいろ勉強になりました。 八王子に戻って、今できていることが海外では当たり前ではないということ。そして代表に選ばれている選手は、自分に自信を持てるだけの積み重ねを行っているということを伝えました。夏に向けては、秋で早稲田実業に負けているので、リベンジしたいですね」
伊藤 雅人(関東一)
「やはりチーム内の選手のレベルが高かったので、いろいろ学びがありました。スイングの速さであったり、一人一人の練習で意識していることを自分に取り入れたいです。このチームに参加している選手に負けたくないですが、特に二松学舎大附に負けたくないですね」
植田 雄大(國學院久我山)
「食事面で苦しみましたが、今後、海外に行く時に良い勉強になりました。こんなにレベルの高い選手の下でプレーが出来て好かったです。僕は左打者なので、勝俣翔貴、加藤雅樹の打撃の動作を真似たら、良い打球を打てるようになりました。ここで学んだことをチームに伝えています。やっぱり夏では、東海大菅生や日大三に負けたくないです」
西田 賢太(日大鶴ヶ丘)
「初めての海外で、いろいろなことを学びましたが、特に印象に残ったのは、体調を崩しているとき、僕を支えてくれたスタッフの方がかっこよかったことです。僕も大人になったとき、そんなかっこいい大人になりたいと思いました。この経験をチームにも話をしました。今回一緒になった西東京の学校には負けたくないです!」
勝俣翔貴(東海大菅生)
「僕にはない部分を学ぼうと思っていました。今回の遠征は、実際にプレーをして学ぶことができましたし、まだ技術練習はしていませんが、一緒にプレーしてきたことを生かせればと思います。
春の選抜に出場出来れば、神宮大会で負けた浦和学院に負けたくないですし、夏では日大三、早稲田実業に対抗心を燃やして、練習に取り組んでいきます」
河野拓斗(紅葉川)
「生活面でも良い体験が出来て、今後の生活に役立つ経験になりました。レベルの高いメンバーと一緒にやれました。いろいろなお手本になる選手ばかりでした。特に関東一の伊藤雅人の守備の考えが参考になったので、(遠征後、その考えを)しっかりとチーム(紅葉川)のみんなに伝えました。
夏は私立、都立関係ないと思うので、すべて倒していきたいと思います。」
北岡知晃(佼成学園)
「この遠征の前から、途上国に支援することについて興味がありました。でも実際に行ってみると、やることはたくさんあるんだなということを
実感いたしました。今後、そういう機会があれば、積極的に協力していきたいと思いました。夏へ向けてですと、日大三に負けたくない気持ちが強いです」
高沢 俊哉(堀越)
「みんな食事面で苦しんだと聞きますが、環境の違いから海外の怖さを感じました。日本に生まれて良かったと思います。
でもこの遠征を通して、人見知りなところが少しずつなくなってきた感じがありました。人間的に成長できた遠征だったと思います。夏では秋に敗れた帝京に負けたくないですね」
乗松良多(東亜学園)
「ミャンマーは人々の温かさを感じました。結構、食事面で、体調不良になることが多くて、改めて安心・安全さを感じました。でも、帰ったときは本当に寒かったですね!
チームに帰ってきて、新年の練習の時に、行ってきた感想をみんなに伝えました。これから敵になるけど、レベルが高い選手ばかり。でも隙があって完全に負けるような相手ではないので、頑張っていこうと話をしました。夏ではやはり北本主将がいる二松学舎大附に負けたくないです!」
佐々木廣大(都立昭和)
「こんなレベルの高い選手たちとプレー出来たのは、本当に良かったですし、都立校では味わえないような経験をさせていただいて、僕自身の野球人生にとって大きなものになりました。この経験をみんなにしっかりと伝えています」
大久保健汰(駒場学園)
「自分が知っている英語の単語が通用しなかったので、文化の違いを感じました。強豪校の選手が揃っているので、彼らの姿勢の良さ、技術面をチームに伝えました。自分にとってプラスになって、行って良かったです。この遠征のなかで、自分の考え方が変わりました。本当に大きい体験でした。夏はこのメンバーがいる学校には、なにがなんでも勝ちたいと思います」
小山拳士郎(成立学園)
「環境面で、食事面で、いろいろ気を遣わないところがあり大変でした。でもレベルの高い選手と一緒にプレーすることができて、改めて頑張ろうと思いました。そして自分自身がチームを引っ張っていけたらと思います。甲子園を目指しているので、全部負けたくないですね!」
吉田龍平(都立小山台)
「今回の遠征でいかに僕たちが恵まれているかを実感し、遠征で経験したことを野球部だけではなく、全校生徒にもお伝えいたしました。
またレベルの高い選手と接したことで、技術の高さも実感しましたが、同じ高校生なので、自分たちの冬の取り組みが重要だと思います。具体的に意識しているチームはありませんが、私学の強豪校に負けないチームを目指します」